法人は年を追うごとに、より速いインターネット回線を求め続けています。回線にスピードを求め続ける理由はなぜか、その背景を解説します。
いまや法人において、クラウドサービスの活用は一般的です。2024年6月7日に総務省が公表した「令和5年通信利用動向調査の結果」によると、何らかのクラウドサービスを利用している企業は全体の77.7%に達したことが公表されています。
クラウドサービスは、インターネット通信に多くの負荷がかかる場合があります。また、以下のようなサービスではより多くの通信が発生いたします。
法人でのDXが進むとともに、インターネット回線を用いるサービスによる通信量は増加し続けています。
レスポンスが遅いと、実務で生かせません。業務の生産性が落ちることで、業績を下げてしまうおそれがあります。スムーズに業務を進めるためにも、速いインターネット回線が求められています。
法人ではインターネットを使ったコミュニケーションも、活発に行われています。ビジネスチャット(Slack、Chatworkなど)やWeb会議ツール(Zoomなど) の活用は、代表的な例といえるでしょう。また総務省「令和5年通信利用動向調査の結果」では、利用しているクラウドサービスの内容は以下のとおり、コミュニケーションに関する項目が上位に入りました。
働き方改革や出張費の削減、コロナ後のニューノーマルなどの要因で、リモートでの会議や商談は増えています。一方でインターネットを使ったコミュニケーションでは、クイックレスポンスが好まれる場合もあります。同時接続数が増えると、通信速度が下がりやすいことに注意しなければなりません。利用者が増えても速さを保つインターネット回線の活用は、円滑なコミュニケーションを行ううえで重要です。
インターネット回線速度を上げる方法は、いくつかあります。主な方法を確認していきましょう。
最大通信速度が大きい回線プランを選ぶことは、通信速度を上げる方法の一つです。プランの最大値を超えた速度を出すことは難しいため、最大通信速度が1Gbps(ギガビット毎秒)の回線で2Gbpsの速度を出すことは難しいですが、最大通信速度10Gbpsの回線では2Gbpsの速度を出せる可能性があります。
「混雑時でも快適に通信したい」「通信速度の最低値を定めたい」このような法人には、帯域確保型や帯域保証型の回線が適しています。混雑時でも、通信の速さを実感できるでしょう。帯域確保型は運営会社が帯域幅を確保することで、帯域保証型は運営会社が通信速度を保証することで、混雑時でもスムーズに通信しやすい環境を提供することが理由です。
回線が高速でも、建物の内部に敷設された配線の通信速度が低いと、通信速度はなかなか上がりません。
インターネット回線速度の向上には、建物内の配線を高速化することも有効な方法の一つです。例えば光回線を契約している場合で、建物内の配線をCAT.5(カテゴリ5)のLANケーブルで行っている場合は配線の引き直しが求められます。 建物の所有者や管理会社と協議し、高速化を実現しましょう。
インターネット回線速度の向上には、ネットワーク機器の改善も欠かせません。改善する方法には、お使いの機器をチューニングする方法と、機器そのものを変える方法があります。それぞれどのように進めるとよいか、確認していきましょう。
利用者の端末とインターネットの間には、ルーターやスイッチ、ロードバランサー、ファイアウォールなどの機器があります。現状を確認したうえで、機器の設定を見直してチューニングを行う、配置を見直すなどの方法を取りましょう。一例として、無線LANで社内ネットワークを組む法人が取れる代表的な方法を示します。
またこの後で解説する「帯域制御」も、一つの解決策です。
ネットワーク機器が契約している回線の通信速度に対応していない場合、ネットワーク機器が速度向上のボトルネックになります。いくらチューニングをしても、満足できる速度は得にくいでしょう。回線の通信速度に見合う機器に入れ替えることで、インターネットの速度向上を実現できます。最新に近い規格になるほど最大の通信速度も上がるためです。できれば、Wi-Fi5以上の規格に対応する機器を用意するとよいでしょう。
インターネットの速度向上には、接続方式をIPv4からIPv6に変更する方法もあります。IPv6では網終端装置を経由することなくインターネットに接続できる「IPoE」(IP over Ethernet)を選べます。網終端装置で発生しがちな輻輳(ふくそう)を避けることができ、安定した高速通信を得やすいことはメリットに挙げられます。
「業務で使用する通信を優先的に確保したい」このような希望をお持ちの法人様には、帯域制御も一つの方法です。帯域制御はパケットの種類ごとに、通信できる容量を制限する技術です。
スムーズに通信できないとき、利用者や従業員は葛藤や不満を感じるものです。夜間帯など通信が混みやすい時間帯の速度が上がれば、仕事も快適に進めやすいでしょう。帯域確保型や帯域保証型の回線を選び、混雑時の速度向上に取り組む施策も有効です。
インターネットをより速くするためには、楽天モバイルが提供する法人向けサービス「KŌSOKU Access」の活用をおすすめします。KŌSOKU Accessは以下の機能により、インターネットの速度向上に貢献します。
プロバイダの契約が不要なことも、メリットの一つに挙げられます。保守対応も24時間365日対応。KŌSOKU Accessの活用により、より速いインターネット回線をスムーズにお使いいただけます。
法人向けの超高速インターネット接続サービス
幅広いエリアで高速通信を実現しながらも、低価格でのご提供を可能にしました。お客様の拠点から最寄りの通信局へ専用の光ファイバーを敷設するため、混雑する時間帯でもスムーズにご利用いただけます。
インターネットの速度向上は、最速の回線を選べばよいとは限りません。オーバースペックの回線を選べば、無駄な料金を支払うことになってしまいます。速度向上を円滑なビジネスの遂行につなげるためにも、速度向上の目標値を定め、適切な対応策を実践しましょう。