ネットワークアセスメントとは?学校で必要な理由と実施する方法を解説

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学校の教育現場ではタブレット端末など、ICT技術を活用した授業が増えています。一方で「思うような速度が出ない」「教室の児童・生徒がいっせいに接続すると画面が止まる」といった悩みをお持ちの方も、多いのではないでしょうか?ネットワークアセスメントは、これらの課題を解決する契機となります。

この記事ではネットワークアセスメントが求められる理由を解説したのち、調査項目や進め方について解説します。楽天モバイルでもネットワークアセスメントに対応するサービスを提供していますので、ぜひご一読ください。

ネットワークアセスメントとは?学校で必要な理由と実施する方法を解説

ネットワークアセスメントとはなにか?

ネットワークアセスメントとはなにか?

ネットワークアセスメントは、学校で設置されているネットワーク機器や契約中の通信回線の課題を把握して原因を調査、評価する取り組みを指します。

「学校で使うネットワークに問題があるものの、どこを修正すれば良いかわからない」というお悩みに対して、解決に向けた取り組みのきっかけとすることが可能です。

なぜネットワークアセスメントが学校で求められるのか?

なぜネットワークアセスメントが学校で求められるのか?

なぜ学校でネットワークアセスメントが求められるのか、理由を4つの項目に分けて解説します。

国が進める「GIGAスクール構想」には、高速ネットワークが不可欠

国は「GIGAスクール構想」を掲げ、ICT技術(情報通信技術)を活用した新たな教育を推進しています。児童や生徒一人ひとりにパソコンやタブレット端末を配布することは、代表的な取り組みの例です。GIGAスクール構想の実現により個別の最適な学びと、協働的な学びを充実でき、一人ひとりのニーズにあわせながら教師・児童・生徒が持つ力を最大限に引き出せます。

ICT技術を積極的に活用する学校では、以下の授業が行われます。

  • 児童・生徒の反応を見ながら授業を進める「双方向型の授業」や「双方向型の意見交換」
  • 校外の専門家や遠隔地とつないだ「遠隔授業」
  • インターネットを活用した「調べ学習」
  • 児童・生徒の能力やニーズに合わせた「個別学習」

いずれも高速通信回線が無いと、スムーズに授業を進められません。またベストエフォート型回線では、混雑時の速度が遅くなるリスクがあります。国が進める「GIGAスクール構想」の推進には、校外や児童・生徒の自宅で使える高速ネットワークも不可欠です。できれば、帯域確保型回線を選ぶとよいでしょう。

GIGAスクール構想に必要な推奨帯域を満たす学校は少数

GIGAスクール構想の実現には、児童・生徒数に応じた帯域の確保が必要です。文部科学省は学校が確保すべき推奨帯域として、以下の目安を示しています。

児童生徒数 当面の推奨帯域
12人 22 Mbps
60人 108 Mbps
120人 216 Mbps
180人 323 Mbps
350人 437 Mbps
700人 580 Mbps

一方で、文部科学省が定める推奨帯域を満たす学校は多くありません。実際にICT技術を使った授業を行う際に、接続に時間を要する、スムーズに再生できないといったトラブルを抱える学校も多くなっています。

文部科学省は2023年11月から12月に実施した調査において、推奨帯域を満たす学校は全体の21.6%にとどまったことを公表しました。このうち児童生徒数が60人以下の小規模校では、8割以上の学校が推奨帯域を満たしました。一方で児童生徒数が増えるに従い推奨帯域を満たす学校は減少し、児童・生徒数が701人以上で推奨帯域を満たした学校は85校(2.7%)にとどまりました。

ネットワークアセスメントを契機として、通信環境の改善が可能

「児童・生徒がいっせいにネットワークにつなげると、なかなか目的の画面が表示されない」「突然画面の動きが遅くなる」といったトラブルを抱える学校も、多いのではないでしょうか?ネットワークアセスメントを契機として問題を見つけることができ、通信環境の改善につなげられます。

文部科学省では、「ファイアウォールの設定を変更する」「周辺機器を高速回線に対応する製品に変更する」「機器1台当たりの接続数を見直す」といった改善例を挙げています。

学校ごとの事情に即したネットワーク環境の整備が必要

ここまで解説したとおり、学校では現状を把握し適切なネットワーク環境を整備するため、ネットワークアセスメントが必要です。しかし全体の59%の自治体では、学校に関するネットワークアセスメントが実施されていません。ネットワークアセスメントを実施した744の自治体のうち、回線に課題が見つかった自治体は195、機器の設置位置や配線等に課題が見つかった自治体は145ありました。

2024年8月29日には文部科学大臣、総務大臣、デジタル大臣の連名で、通信事業者等の協会あてに、「学校のネットワークの改善に向けた取組について(要請)」文書が送付されました。通信事業者の協力も得て、学校のネットワークを整備しより良い教育を提供できる時代となっています。教職員や教育委員会だけで「学校のネットワークをどうしようか」と悩む必要はありません。

ネットワークアセスメントで調査が必要な項目

ネットワークアセスメントで調査が必要な項目

ネットワークアセスメントでは、さまざまな項目がチェックされます。調査を要する代表的な項目を、以下に挙げました。

  • ルーター
  • LAN機器(スイッチ、ハブ、アクセスポイントなど)
  • LANケーブル
  • 無線LAN
  • ファイアウォール
  • インターネット回線(速度や契約内容など)
  • インターネットのアクセス速度やトラフィック
  • 機器の保守や運用の状況

ネットワークアセスメントの進め方

ネットワークアセスメントの進め方

ここまでの解説から、読者のなかには「ネットワークアセスメントは、どのように進めればよいのだろうか?」とお悩みの方もいるかもしれません。ネットワークアセスメントの進め方を確認していきましょう。

学校のネットワークに関する情報をチェックする

ネットワークアセスメントの第一歩は、学校にどのような機器があるか、またどのような回線を使っているか把握することから始まります。以下の資料を参考に、ネットワークに関する情報をご確認ください。

  • 基本設計書
  • 構成図
  • 既存機器の一覧
  • パラメータシート
  • プロット図

ネットワークアセスメントを専門業者に依頼する場合も、上記の資料が必要となります。可能な限り収集したうえで、ネットワークアセスメントを申し込み業者のヒアリングを受けましょう。

実機を用いて調査する項目を決める

ネットワークに関する資料を精読したうえで、実機を活用して調査する項目を決定してください。複数の調査項目が挙がる場合も多いでしょう。調査にあたっては、使用するツールや機器、手法、所要時間、および調査がおよぼす悪影響を事前に検討する必要があります。

専門業者に依頼する場合は担当者が上記の検討を行い、学校や教育委員会に対して調査すべき項目や調査方法を提案します。

ネットワークに関する調査を行う

事前に取り決めた項目について、実機を用いてネットワークに関する調査を行います。児童・生徒の利用に悪影響をおよぼすおそれのある調査は、授業時間外に行うなどの配慮を行ってください。

調査結果を評価して取るべきアクションを決める

現地での調査を終えた後、調査結果を評価して取るべきアクションを決めます。専門業者に依頼した場合は調査結果を受け取り、説明やアドバイスを受けてください。その後、取るべき対応を学校や教育委員会で検討する必要があります。

なお調査結果によっては、追加での現地調査を要する場合もあります。

ネットワークアセスメントを教職員だけで行うことは可能か?

ネットワークアセスメントを教職員だけで行うことは可能か?

ここまで、ネットワークアセスメントの定義や進め方、チェックすべき項目を解説しました。学校の教職員だけで、あるいは教育委員会の職員だけで、ネットワークアセスメントを完遂することは可能でしょうか?

もしICT技術に詳しい職員がいる場合は、内部でネットワークアセスメントを行ったうえで、適切な対処方法を見つけられるでしょう。一方でICT技術に詳しい職員がいない場合は、内部で無理して行うことはおすすめできません。正確な結果を得るためにも、専門業者への依頼がおすすめです。

楽天モバイルではGIGAスクール構想に対応するサービスを提供中

楽天モバイルではGIGAスクール構想に対応するサービスを提供中

楽天モバイルでは、2024年8月29日に提出された「学校のネットワークの改善に向けた取組について(要請)」 の要件を満たす、GIGAスクール構想に対応するネットワーク回線を提供しています。

  • ネットワークアセスメントをもとに、適切な提案を行う
  • 高速回線や帯域確保型の回線を選べる
  • 自宅や校外での学習にはモバイル回線を使える
  • 専用窓口によるサポートを提供する

楽天モバイルのサービスを使うメリットは、4つあります。それぞれのメリットを確認し、楽天モバイルへの相談や依頼をご検討ください。

楽天モバイルが学校のネットワークを調査して、適切な提案を行う

楽天モバイルでは、教育委員会様向けのご相談窓口を設置しています。「どこから、なにを始めればよいかわからない」という場合でも、まずはご相談ください。現状やお悩みを伺ったうえで、ネットワークの専門家が適切なアドバイスや提案をいたします。

楽天モバイルでは、専門技術者によるネットワークアセスメントも行っています。調査結果をお渡しするだけでなく、調査結果の分析やサービスの提案も可能です。ICT技術に詳しい職員が学校や教育委員会様にいない場合でも、適切な調査を行えます。

「KŌSOKU Access」の活用で、ネットワークの高速化と帯域の確保を実現する

楽天モバイルでは、超高速インターネット接続サービス「KŌSOKU Access」を全国(一部地域を除く)で提供しています。帯域確保型のプランを選べば、突然回線速度が遅くなるリスクを下げられます。ネットワークが混雑しがちな時間帯でも安心して授業を進められることを、メリットに感じる教職員も多いでしょう。

KŌSOKU Access Premiumプラン(帯域確保型)では、561人以上の児童・生徒数を抱える学校向けのプランも提供していますので、大規模校でも安心です。

関連サービス

楽天モバイルの教育DXサポート

楽天モバイル法人サービスでは、モバイルサービスからネットワークまで幅広いサービスの提案と提供をしています。
子どもたちの教育環境を整えるためのお手伝いとして、通信の課題特定から導入・運用まで一貫してサポートします。

自宅や校外での学習に使えるモバイルサービスも提供できる

楽天モバイルでは、高品質で低価格なモバイルサービスを提供します。自宅や校外でも、児童や生徒は快適な通信環境を使って学ぶことが可能です。モバイルサービスに使うモバイルルーター端末も、持ち運びのしやすい機器を選べます。

楽天モバイルでサポートを行い、教職員の負担を軽減できる

楽天モバイルでは導入後のサポートにより、教職員の負担を軽減します。トラブルが起きた際には、専用窓口でご相談を受け付けます。あわせてネットワーク診断を通じて、再発防止につながる解決策も提案いたします。これにより、緊急時でも教職員の負担を抑えることが可能です。

ネットワークアセスメントは楽天モバイルに依頼し、快適な回線の実現を

ネットワークアセスメントは、児童・生徒に対して快適な学習環境を提供するきっかけとなります。どの学校でも進めたい取り組みですが、適切にネットワークアセスメントを行うためにはICT技術に詳しい職員が欠かせません。このような学校や教育委員会は、多くないでしょう。

ネットワークアセスメントを楽天モバイルにご依頼いただくことで、教職員の負担を軽減しながら快適な通信環境を実現できます。高速通信回線導入後のサポートや、児童・生徒の家庭学習に役立つモバイル端末の提供も行います。学校の通信回線に課題をお持ちの教育委員会様は、ぜひ一度楽天モバイルへご相談ください。