学校の教育現場ではタブレット端末など、ICT技術を活用した授業が増えています。一方で「思うような速度が出ない」「教室の児童・生徒がいっせいに接続すると画面が止まる」といった悩みをお持ちの方も、多いのではないでしょうか?ネットワークアセスメントは、これらの課題を解決する契機となります。
この記事ではネットワークアセスメントが求められる理由を解説したのち、調査項目や進め方について解説します。楽天モバイルでもネットワークアセスメントに対応するサービスを提供していますので、ぜひご一読ください。
ネットワークアセスメントは、学校で設置されているネットワーク機器や契約中の通信回線の課題を把握して原因を調査、評価する取り組みを指します。
「学校で使うネットワークに問題があるものの、どこを修正すれば良いかわからない」というお悩みに対して、解決に向けた取り組みのきっかけとすることが可能です。
なぜ学校でネットワークアセスメントが求められるのか、理由を4つの項目に分けて解説します。
国は「GIGAスクール構想」を掲げ、ICT技術(情報通信技術)を活用した新たな教育を推進しています。児童や生徒一人ひとりにパソコンやタブレット端末を配布することは、代表的な取り組みの例です。GIGAスクール構想の実現により個別の最適な学びと、協働的な学びを充実でき、一人ひとりのニーズにあわせながら教師・児童・生徒が持つ力を最大限に引き出せます。
ICT技術を積極的に活用する学校では、以下の授業が行われます。
いずれも高速通信回線が無いと、スムーズに授業を進められません。またベストエフォート型回線では、混雑時の速度が遅くなるリスクがあります。国が進める「GIGAスクール構想」の推進には、校外や児童・生徒の自宅で使える高速ネットワークも不可欠です。できれば、帯域確保型回線を選ぶとよいでしょう。
GIGAスクール構想の実現には、児童・生徒数に応じた帯域の確保が必要です。文部科学省は学校が確保すべき推奨帯域として、以下の目安を示しています。
児童生徒数 | 当面の推奨帯域 |
---|---|
12人 | 22 Mbps |
60人 | 108 Mbps |
120人 | 216 Mbps |
180人 | 323 Mbps |
350人 | 437 Mbps |
700人 | 580 Mbps |
一方で、文部科学省が定める推奨帯域を満たす学校は多くありません。実際にICT技術を使った授業を行う際に、接続に時間を要する、スムーズに再生できないといったトラブルを抱える学校も多くなっています。
文部科学省は2023年11月から12月に実施した調査において、推奨帯域を満たす学校は全体の21.6%にとどまったことを公表しました。このうち児童生徒数が60人以下の小規模校では、8割以上の学校が推奨帯域を満たしました。一方で児童生徒数が増えるに従い推奨帯域を満たす学校は減少し、児童・生徒数が701人以上で推奨帯域を満たした学校は85校(2.7%)にとどまりました。
「児童・生徒がいっせいにネットワークにつなげると、なかなか目的の画面が表示されない」「突然画面の動きが遅くなる」といったトラブルを抱える学校も、多いのではないでしょうか?ネットワークアセスメントを契機として問題を見つけることができ、通信環境の改善につなげられます。
文部科学省では、「ファイアウォールの設定を変更する」「周辺機器を高速回線に対応する製品に変更する」「機器1台当たりの接続数を見直す」といった改善例を挙げています。
ここまで解説したとおり、学校では現状を把握し適切なネットワーク環境を整備するため、ネットワークアセスメントが必要です。しかし全体の59%の自治体では、学校に関するネットワークアセスメントが実施されていません。ネットワークアセスメントを実施した744の自治体のうち、回線に課題が見つかった自治体は195、機器の設置位置や配線等に課題が見つかった自治体は145ありました。
2024年8月29日には文部科学大臣、総務大臣、デジタル大臣の連名で、通信事業者等の協会あてに、「学校のネットワークの改善に向けた取組について(要請)」文書が送付されました。通信事業者の協力も得て、学校のネットワークを整備しより良い教育を提供できる時代となっています。教職員や教育委員会だけで「学校のネットワークをどうしようか」と悩む必要はありません。
ネットワークアセスメントでは、さまざまな項目がチェックされます。調査を要する代表的な項目を、以下に挙げました。
ここまでの解説から、読者のなかには「ネットワークアセスメントは、どのように進めればよいのだろうか?」とお悩みの方もいるかもしれません。ネットワークアセスメントの進め方を確認していきましょう。
ネットワークアセスメントの第一歩は、学校にどのような機器があるか、またどのような回線を使っているか把握することから始まります。以下の資料を参考に、ネットワークに関する情報をご確認ください。
ネットワークアセスメントを専門業者に依頼する場合も、上記の資料が必要となります。可能な限り収集したうえで、ネットワークアセスメントを申し込み業者のヒアリングを受けましょう。
ネットワークに関する資料を精読したうえで、実機を活用して調査する項目を決定してください。複数の調査項目が挙がる場合も多いでしょう。調査にあたっては、使用するツールや機器、手法、所要時間、および調査がおよぼす悪影響を事前に検討する必要があります。
専門業者に依頼する場合は担当者が上記の検討を行い、学校や教育委員会に対して調査すべき項目や調査方法を提案します。
事前に取り決めた項目について、実機を用いてネットワークに関する調査を行います。児童・生徒の利用に悪影響をおよぼすおそれのある調査は、授業時間外に行うなどの配慮を行ってください。
現地での調査を終えた後、調査結果を評価して取るべきアクションを決めます。専門業者に依頼した場合は調査結果を受け取り、説明やアドバイスを受けてください。その後、取るべき対応を学校や教育委員会で検討する必要があります。
なお調査結果によっては、追加での現地調査を要する場合もあります。
ここまで、ネットワークアセスメントの定義や進め方、チェックすべき項目を解説しました。学校の教職員だけで、あるいは教育委員会の職員だけで、ネットワークアセスメントを完遂することは可能でしょうか?
もしICT技術に詳しい職員がいる場合は、内部でネットワークアセスメントを行ったうえで、適切な対処方法を見つけられるでしょう。一方でICT技術に詳しい職員がいない場合は、内部で無理して行うことはおすすめできません。正確な結果を得るためにも、専門業者への依頼がおすすめです。
楽天モバイルでは、2024年8月29日に提出された「学校のネットワークの改善に向けた取組について(要請)」 の要件を満たす、GIGAスクール構想に対応するネットワーク回線を提供しています。
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子どもたちの教育環境を整えるためのお手伝いとして、通信の課題特定から導入・運用まで一貫してサポートします。
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ネットワークアセスメントは、児童・生徒に対して快適な学習環境を提供するきっかけとなります。どの学校でも進めたい取り組みですが、適切にネットワークアセスメントを行うためにはICT技術に詳しい職員が欠かせません。このような学校や教育委員会は、多くないでしょう。
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