SIMとはなにか?特徴とスムーズに使うポイントを徹底解説

facebookXLINEはてなブックマークpocket
社用携帯やスマートフォンを使ううえで欠かせないアイテムの一つに、「SIM」があります。携帯電話で通話・通信を行うために欠かせない、重要な物品です。SIMはなぜ重要で、どのような働きを行っているのでしょうか?

この記事ではSIMを取り上げ、通話・通信における重要性と役割を解説します。またSIMの選び方や使い方を紹介し、社用携帯でスムーズに使うポイントを解説します。SIMについて詳しく知りたい方は、ぜひお読みください。
SIMとはなにか?特徴とスムーズに使うポイントを徹底解説

SIMカードとはなにか?携帯電話でなぜ必須なのか?

SIMカードとはなにか?携帯電話でなぜ必須なのか?

SIMカードは小さい物品ですが、携帯電話を使ううえで欠かせない役割を果たします。どのような役割がありなぜ必須なのか、3つの観点から確認していきましょう。

契約者の情報が格納されている

SIMカードには、以下に挙げる重要な情報が含まれています。

  • 国や事業者、利用者を識別する15桁の電気通信番号(IMSI)
  • SIMそのもののシリアル番号(ICCID)
  • 電話番号(MSISDN)

上記の項目は、契約者の情報と紐づいています。小さいですが「私の携帯電話」であることを証明する、重要なカードです。

端末にSIMカードを差さないとどうなる?

もし端末にSIMカードを差さないと、携帯電話回線を使ったサービスは利用できません。電話番号を使った電話、SMSの送受信、携帯電話会社が発行するメールアドレス、携帯電話回線を使ったデータ通信といった、よく使うサービスが利用できなくなるわけです。

但しデータ通信や電話は、まったく使えなくなるわけではありません。Wi-Fi®があれば、データ通信は可能です。また通話できるアプリをインストールしていれば、Wi-Fiにつなぐことで通話できます。

SIMカードは携帯電話会社から借りていることに注意

SIMカードの所有権は、携帯電話会社が持っています。SIM発行時に支払った料金はSIMカードの対価ではなく、SIMを発行する際の手数料であることに注意してください。SIMカードを返却しない場合、数千円程度の料金を徴収する携帯電話会社もあります。

もっとも解約やMNPを行った場合、多くの携帯電話会社ではSIMカードの返却を求めていません。「Rakuten最強プラン ビジネス」では、以下の方法を選べます。

  • 貴社および地域のルールに則った廃棄(利用者による処分)
  • 楽天モバイルが指定する返却先への郵送

貴社の事情にあわせて、適切な廃棄方法を選んでください。

SIMカードにはさまざまな種類がある

SIMカードにはさまざまな種類がある

SIMカードには、さまざまな種類があります。よく把握したうえで、貴社に最適なSIMを選びましょう。

SIMカードは大きさにより3種類に分かれる

SIMカードは大きさにより、3種類に分かれます。


SIMの種類 サイズ
標準SIM 25mm×15mm
microSIM 15mm×12mm
nanoSIM 12.3mm×8.8mm

なお2024年時点で発売中の機種は、多くがnanoSIM、またはこの後に解説するeSIMに対応となっています。詳しくは端末の取扱説明書や仕様でご確認ください。

音声通話やSMSの可否による違い

SIMカードは音声通話やSMSへの対応状況により、3種類に分かれます。使える機能を、以下の表にまとめました。


SIMカードの種類 音声通話 SMS データ通信
音声SIM
データSIM × ×
データSIM
(SMS機能付き)
×

音声SIMは通話もデータ通信もSMSも可能な一方、データSIMはデータ通信しか対応していません。但しSMS機能が付いたデータSIMは、データ通信のほかにSMSの送受信も可能です。

なお「Rakuten最強プラン ビジネス」には「音声+データプラン」と「データプラン」がありますが、すべてのプランでデータ通信とSMSを利用できます。

eSIMとSIMカードの違い

近年ではSIMに「eSIM」を採用する機種も増えてきました。eSIMとSIMカードには、以下の大きな違いがあります。

  • eSIM:物理的なSIMカードが無い(SIMの情報は端末内にデータとして書き込む)
  • SIMカード:SIMの情報を物理的なカードに記録し、端末に差し込む

eSIMとSIMカードの違いは、「eSIM(イーシム)とはなにか?SIMカードとの違いと、メリット・デメリットを解説」記事でも解説していますのであわせてご参照ください。

SIMカードは希望のサイズを選べるか?

SIMカードのサイズは、利用する端末によって指定されます。申し込む際は、使う端末に合ったサイズのSIMカードを指定することになるでしょう。もっとも近年ではどのSIMカードにも対応する「マルチサイズSIM」が送付され、ユーザー側で端末に合ったサイズに切り取るケースも増えています。

SIMカードの入手方法

SIMカードの入手方法

SIMカードの入手方法は、2つあります。どのような方法で入手できるか、確認していきましょう。

携帯電話会社と契約を結ぶ

携帯電話会社と契約を結ぶことは、一般的なSIMカードの入手方法です。契約手続きが終わると、以下の枚数のSIMカードが交付されます。


契約者の属性 交付されるSIMカードの枚数
個人 原則として1契約につき1枚(シェアプランなど、1つの契約で複数枚交付できる場合がある)
法人 必要な枚数(事前に要申請。変更も可能)

なお非対面で手続きした場合は、SIMカードが郵送されるまで数日待つ必要があります。一方でeSIMの場合は、1時間以内で開通できる携帯電話会社もあります。

プリペイドSIMを購入する

SIMカードは、プリペイドSIMの購入でも入手できます。購入先は、Webまたは家電量販店を選べます。継続的な契約ではないため、契約手続きは原則として不要。使用後は使えなくなるだけなので、解約手続きをどう進めるか悩む必要もありません。

プリペイドSIMは、「プリペイドSIMや海外で使えるSIMとは?業務に役立つ使い方を教えます」記事で詳しく解説しています。ビジネスを進めるうえで役立つSIMですので、ぜひご覧ください。

SIMカードの使用方法

SIMカードの使用方法

SIMをスムーズに使い始めるためには、正しい使用方法の理解も重要です。使う際のポイントを確認していきましょう。

スマートフォンや携帯端末に合ったサイズに切り取る

近年ではどのSIMカードにも対応する「マルチサイズSIM」が送られるケースが増えています。「Rakuten最強プラン ビジネス」も、カード型のSIMを選んだ場合はマルチサイズSIMをお送りしています。

この場合はご自身で、端末が要求するSIMのサイズに切り取る必要があります。切り取り方をよく読み、ゆっくり切り取りましょう。ハサミを使う必要は通常ありません。nanoSIMであれば一番小さいサイズに切り取れば良いですが、標準SIMやmicroSIMの場合は小さく切り取り過ぎないよう注意が必要です。もしサイズを誤った場合は、SIMの再発行と手数料を要する場合がありますから注意してください。

利用する端末にセットする

SIMカードを端末に合ったサイズに切り取った後は、端末にセットしましょう。差し込み方は端末により異なりますので、取扱説明書をご参照ください。

SIMカードは静電気に弱いため、作業前には金属に触れるなど、体にたまった静電気を逃がしておきましょう。また金色の部分には、ICチップが入っています。汚れに弱い部分ですので、触れないよう注意して扱いましょう。

SIMをスムーズに使うためには端末のチェックも必要

SIMをスムーズに使うためには端末のチェックも必要

新しいSIMをスムーズに使うためには、端末側のチェックも必要です。3つの項目を確認し、快適な社用携帯の活用につなげましょう。

SIMフリー端末を選ぶ

貴社に合ったSIMを選ぶなら、SIMフリー端末を選ぶことがおすすめです。SIMロック解除の手間がかからず、安価で業務要件を満たすSIMを選べることが理由です。SIMフリー端末は、端末メーカーなどで購入可能です。

SIMロックがかかっている場合は解除する

お持ちの端末にSIMロックがかかっている場合は、SIMを切り替える前にSIMロックの解除を済ませておきましょう。他のキャリアに乗り換える場合は、SIMロックがかかっていないことが前提となるためです。SIMロックの解除は、契約中の携帯電話会社にご相談ください。

なお2021年10月1日以降に新たに発売された携帯電話端末は、SIMロックが解除された状態で販売されています。SIMロック解除については、「SIMロック解除で通信費の見直しを!解除できない原因と対処法も解説」記事もあわせてご参照ください。

SIMのサイズを確認しておく

端末に合ったSIMのサイズも、事前に確認しておきましょう。契約手続きをスムーズに進められ、新しい社用携帯もトラブルなく使い始めることが可能です。必要とするSIMのサイズは、端末の取扱説明書や仕様などでご確認ください。

プランやキャリアを変更する場合、SIMカードはどうなる?

プランやキャリアを変更する場合、SIMカードはどうなる?

社用携帯を使っていると使い勝手の悪さやコストパフォーマンスといった理由で、契約中の携帯電話会社やプランを変える場合も少なくありません。このような場合、SIMカードはどうなるのでしょうか?3つのケースに分けて解説します。

携帯電話会社を変える場合は、新たなSIMカードの発行が必要

携帯電話会社を変える場合は、新たな契約先でSIMカードの発行を受けることが必要です。SIMカードは、携帯電話会社の所有であるためです。

不要となったSIMカードは、携帯電話会社への返却が基本です。なかには返却しないと、料金を請求する携帯電話会社もありますので注意してください。一方で、利用者による処分を認める携帯電話会社もあります。この場合はハサミなどで切って処分してください。

端末を変える場合は、交換や再発行が必要となる場合がある

端末を変更する場合、旧端末と新端末でSIMカードのサイズが変わる場合は、交換や再発行が必要です。またeSIMでeSIMクイック転送に対応しない場合は、再発行を要します。

この場合は契約中の携帯電話会社に、SIMカードの交換や再発行を依頼しましょう。その際は、手数料が必要となる場合がありますので事前にご確認ください。

プランだけを変える場合は、変更内容による

携帯電話会社を変えずに同じ端末を使い続ける場合でも、プランを変える場合は新しいSIMカードが発行されるケースがあります。音声SIMからデータSIMへ、またはデータSIMから音声SIMに変更する場合は、契約の解除と再契約を求められがちです。必然的に旧SIMカードは使えなくなり、新たなSIMカードを使うことになるでしょう。一方で契約中のプランから上位プランへ、または下位プランへ変更する場合は、SIMカードを使い続けられる場合もあります。

なおお持ちのスマートフォンで楽天モバイルのSIMを使う方法は、「お使いのスマホそのままで楽天モバイルのSIMを使う方法」で解説しています。ぜひご確認ください。

事前のチェックと準備を行い、SIMをスムーズに活用しよう

事前のチェックと準備を行い、SIMをスムーズに活用しよう

SIMはさまざまな種類がありますが、自由に選べるわけではありません。契約先の携帯電話会社やプラン、端末が対応するSIMのサイズによって決まります。業務の要求にマッチしたプランを選んだうえで、SIMの種類やサイズを確認しておきましょう。状況によってはSIMロックの解除など、事前の準備も必要です。

社用携帯をスムーズに使うためには、事前のチェックと準備が重要です。現状を把握したうえで業務に役立つプランを選び、SIMのスムーズな活用につなげましょう。