モバイル端末はSIMに記録されている契約者情報と端末を紐づけなければ、通話やモバイル通信を利用できません。特定の携帯電話会社が発行したSIMを挿入したときだけ、モバイル通信や通話が利用できるようにモバイル端末に制限をかけることをSIMロックといいます。
SIMについてさらに詳しく知りたい方は、「SIMロック解除で海外SIMを使える?メリットやデメリットも解説」をぜひご一読ください。
SIMロックの役割は、なりすまし契約や盗難など不正な手段で入手した端末の利用制限や第三者への転売防止対策だといわれています。それ以外にも顧客の囲い込みという側面もあったようです。
日本の大手携帯電話会社では、自社で販売する端末の価格を下げるためにメーカーの開発費の一部を負担し、高機能な端末の開発をサポートしました。これが端末を安く提供するために負担した分の開発費は顧客の通信料金に上乗せして回収するというビジネスモデルのもとになっています。
このビジネスモデルでは、どうしても通信料金が割高にならざるを得ません。他社の格安プランが登場すると、端末は価格の安い大手携帯電話会社で購入し、SIMは格安プランのある他社のものを使用するということを防ぐために、SIMロックという仕組みが必要でした。
SIMロックを解除するデメリットはほとんどありません。主なメリットは次の3つです。
携帯電話会社を乗り換える際に端末に保存されているデータやアプリをそのまま利用できるので使い慣れた端末を使いたいと考える人も多いのではないでしょうか。クラウドを利用することで、以前よりもデータ移行などが簡単にできるようになりましたが、そのまま使えるほうがより手軽です。
プライベートで利用している携帯電話会社と会社から指定されている携帯電話会社が異なることもあります。このような場合に、SIMフリーのデュアルSIM端末であれば、プライベートはA社、ビジネスは会社に指定されているB社という使い方も可能です。また海外出張などで、通信費の安い現地のSIMを使いたいという場合にも対応できます。
2024年6月現在はSIMロック解除にかかる費用はありません。
2014年に総務省によるSIMロック解除に関するガイドラインの改正で、2015年5月以降に発売される機種はSIMロック解除が可能になります。SIMロック解除には手数料が必要な場合がほとんどでしたが、2023年10月以降は手数料の無料化が総務省によって義務付けられました。
また、2021年10月以降に販売する端末は、原則SIMフリーもしくはSIMロックを解除した状態のもののみと総務省のガイドラインに記されています。
SIMロックの解除の義務化やSIMロックされた端末の販売禁止の理由は、携帯電話会社の乗り換えや複数の携帯電話会社の同時利用など、利用者が自由に携帯電話会社を選ぶ権利を制限しないためです。また、業者間の価格競争を促し、通信料金の引き下げやサービスの多様化を図る目的もあります。
購入時期によってSIMロック解除が必要かどうかを一覧にまとめています。
購入時期 | SIMロック解除 |
---|---|
~2015年4月 | 必要 (できない端末もある) |
2015年5月〜2021年9月 | 必要 |
2021年10月~ | 原則不要 (条件によっては必要) |
2015年4月より前にはSIMロック解除についてのガイドラインの改定前です。そのため、SIMロックを解除できない端末もあります。SIMロック解除を可能にするようにとのガイドラインが制定された2015年5月以降に販売された端末については手続きをすればSIMロック解除が可能です。
また、2021年10月以降に販売されている端末については、SIMロック状態での販売が原則禁止になっているため、SIMロック解除の手続きは基本的に必要ありません。
楽天モバイルで販売しているスマホはすべてSIMフリー端末です。
楽天モバイルで購入した端末はすべてSIMフリーのため、確認は不要です。SoftBankやauではWebサイトからSIMロックの状態が確認できます。
ドコモは店頭や電話で「SIMロックが解除されているかどうか」だけの問い合わせには対応しておらず、Webサイトでの確認もできません。SIMロックが解除されているかどうかわからない場合は、SIMロック解除手続きを行うほうが早いでしょう。
それ以外は、お使いの携帯電話会社に確認方法を問い合わせてください。
iOS14.4以降を搭載した端末の場合は、ホーム画面の[設定]-[一般]-[情報]のSIMロックの項目が「SIMロックなし」と表示されているかどうかで確認できます。iOSが14.4未満の場合はバージョンアップしてから確認しましょう。
SIMを発行した携帯電話会社をすでに解約している場合は、SIMロック解除の手続きにはIMEI(製造番号)が必要になります。IMEIは15桁の番号です。調べるには端末のOSに関わらずほとんどの端末で、電話アプリから「*#06#」にダイヤルすると画面に表示されるので、メモを取っておきましょう。
他にも公式サイトや本体の設定画面から確認する方法もあります。取扱説明書やサポートセンターで確認してください。
SIMロック解除の手続き方法は主に次の3つです。
契約している携帯電話会社の店頭にスマホを持って行き、SIMロック解除の手続きをします。契約者本人もしくは委任状を持った家族であれば、SIMロック解除が可能です。
契約している携帯電話会社のサポートセンターに電話をかけて、SIMロック解除の手続きをします。契約者本人が電話口に出て、本人確認をする必要があるので注意が必要です。
契約している携帯電話会社のWebサイトにログインして、SIMロック解除の手続きをします。手続きの受付は24時間していますが、実際にSIMロックの解除ができる時間帯が決まっているので、それぞれのサイトで確認しておきましょう。
SIMロックが解除できないときは、次の4つの条件のいずれかを満たしていない可能性があります。携帯電話会社によってはどれか一つでも当てはまると、SIMロック解除はできません。
なお、ドコモについては2023年10月1日より無条件でSIMロックの解除ができるようになっています。
2015年4月23日以前に発売された機種はSIMロック解除の対象ではないことが少なくありません。まれにSIMロック解除の対象でない機種でもSIMロックを解除できる場合があります。対象かどうかは携帯電話会社のWebサイトで確認可能です。
SIMロック解除したい端末が対象外の場合は、対象になっている端末を用意する以外の方法はありません。
次のような端末には利用できないように制限がかかるようになっています。
ネットワーク利用制限のかかっている端末のディスプレイには、赤いアンテナが表示されているので、すぐに見分けがつきます。通信料金や端末料金の未払いを解消したり、正規の手段で端末を入手したりしてネットワーク利用制限を解消しましょう。
月々の支払いがクレジット払いではない場合や、端末料金を分割で支払っており、残債が残っている場合は、購入後、規定の日数が経過するまで、SIMロックの解除はできません。
いずれかの方法で条件をクリアしましょう。
購入してから101日以上経過していない場合はSIMロックを解除できません。ただし、一括払いなどで端末料金の支払いがすでに完了している場合や、月々の支払いをクレジット払いにしている場合には購入からの経過日数が100日以下でもSIMロックの解除は可能です。
101日が経過するまで待つか、早めにSIMロックを解除したい場合は月々の支払いをクレジット払いに変更するか、端末料金の支払いを済ませるようにしましょう。
スマホのSIMロックを解除すれば、使い慣れたスマホのままで、自分にあったプランのある携帯電話会社に乗り換えることも簡単です。
SIMロックを解除したら、ぜひ「Rakuten最強プラン ビジネス」をご検討ください。