WEPは1997年に導入された暗号化標準で、かつては広く使われていました。WPAに取って変わられた背景に、セキュリティの弱さが挙げられます。
WEPは、どのトラフィックも同じキーを使うことが特徴です。いったんキーが見破られると通信の解読は容易となり、セキュリティは大きく損なわれます。またキーの長さも40ビット(半角5文字)など短いものを使えることも、セキュリティ強度を下げる一因です。
これらは、キーが可変となるWPAとの大きな違いです。令和の時代では「WEPしか対応しない」機種など、特別の事情が無い限りWEPは使われなくなっています。
WPAとVPNはどちらもセキュリティに関する技術ですが、対策を施す箇所は異なります。WPAはデータの暗号化により、セキュリティを確保します。一方でVPNはインターネット上に仮想的な専用線をつくることで、セキュリティを高める技術です。WPAとVPNを併用することで、セキュリティをより高めることが可能です。
WPAとSSL・TLSは、どちらもデータの暗号化に関する技術です。一方で使われるケースには、以下の違いがあります。
2024年時点では脆弱性の問題によりSSLは使われなくなり、代わりにTLSが広く活用されています。TLSを使ったWebサイトは、URLが「https://」で始まっています。WPAとTLSを活用することで、Webサイトのセキュリティを高めることが可能です。
WPSはWPAとよく似た名称ですが、意味は異なります。そもそもWPSは、セキュリティに関する技術ではありません。「Wi-Fi Protected Setup」の略であり、無線LANの接続設定を簡単に行う目的で使われる規格です。
WPSの活用により、無線ルーターの名称(SSID)やパスワードがわからなくても、ボタンを押すだけで簡単に設定を済ませることが可能です。
無線LANに関する規格には、IEEE 802.11xもあります。無線LANで異なる機器どうしをつなぐための規格であり、暗号化に関する要素は含まれません。これはWPAとの大きな違いです。
ここまで、WPAと関連する用語と違いを解説しました。いずれも無線LANの活用において、重要な役割を担っています。用語の意味と違いを把握したうえで、無線LANを適切に活用し、セキュリティの確保に努めましょう。なおWPAについては、「 WPAとはなにか?3種類の特徴と活用するポイントを紹介 」記事をご参照ください。