代表的な生成AI、ChatGPTを業務に導入するには、ChatGPTの特徴を理解することが重要です。
この記事では、ChatGPTの特徴や実務で役立つ内容、活用のポイント、無料版・有料版の違いなどを解説します。ChatGPTを理解したうえで、強みを生かせる業務で活用してください。
ChatGPTはアメリカのOpenAI社が開発・運営する、AIを活用したサービスです。ChatGPTに問いかけるだけで、求める情報を簡単に得られます。文章の作成やチェック、図や画像の作成も可能です。多言語に対応しているため、世界中で使えることも魅力の一つです。
ChatGPTは、商用での利用が可能です。企業における業務でお使いいただけます。スマートフォンではブラウザだけでなく、アプリを使うこともできます。
OpenAIは2018年から、ChatGPTの前身となる「GPT」を開発していました。世間に広く知られるきっかけとなったバージョンは、2022年11月に公開されたGPT-3.5です。公開から5日間でユーザー数が100万人を超え、注目を集めました。
その後、2023年3月にはGPT-4、2024年5月にはGPT-4oが公開されました。
ChatGPTとよく比較される生成AIには、GeminiやCopilotがあります。それぞれの相違点は、以下のとおりです。
それぞれの強みを把握したうえで、貴社に適する生成AIを選びましょう。
ChatGPTは以下のとおり、ビジネスにおけるさまざまな業務で役立ちます。
項目 | 内容 |
---|---|
文章の作成 | 簡単な指示でまとまった量の文章を作成できる。構成案の作成や下書きにも使える |
文章の要約 | 文章を指定された文字数に要約する。要旨や趣旨を知る手段として使える |
翻訳 | 任意の言語に翻訳する |
誤字・脱字のチェック | 文章の推敲などに使える |
画像や音声の認識 | アップロードした画像をもとに、または音声で質問することで、適切な回答を得られる |
画像の作成 | 指定された要件に沿った画像を作成する |
アイデアの入手や壁打ち | ChatGPTに問いかけることでアイデアを得られ、会話を通して煮詰めることも可能 |
公開データの入手や、専門用語の意味を調べる | ChatGPTに質問することで公開データを入手でき、専門用語の意味もわかる |
プログラミング | 要件と言語を指定することで、適切なコードを自動で生成する |
自動応答 | チャットボットと連携することで、顧客と自動で会話できる。24時間365日の対応を実現できる |
ChatGPTを社内で導入するためには、以下のハードルを越える必要があります。
4番は、業務の仕分けにより解決できます。1番から3番は次の章で解決策を示していますので、ぜひご確認ください。
業務でChatGPTを安心して使うためには、押さえておきたいポイントが5つあります。それぞれのポイントを踏まえ、スムーズで安全なChatGPTの活用につなげましょう。
ChatGPTのプロンプト(指示文)に個人情報や機密情報を含めることは以下のリスクがあるため避けるべきです。
1番はChatGPTの仕様が原因です。プロンプトに入力した内容は機密情報や個人情報であっても、ChatGPT自身の学習データとして用いられます。この結果、他者に機密情報や個人情報が提示されるおそれがあります。
2番は、そもそもインターネット上のサービスに個人情報や機密情報を入力すること自体にリスクがあるという観点です。はじめから入力しなければ、盗聴や情報漏えいの被害を防止できます。
ChatGPTは適切な設定により、入力した情報をChatGPT自身の学習に使わせない「オプトアウト」を行えます。2025年7月時点でのオプトアウトを行う方法は以下のとおりです。
方法 | 手順の概要 |
---|---|
ChatGPTの設定を使う | 「設定」-「データ コントロール」を開き、以下のいずれかをオフにする
|
OpenAIに申請する | 「OpenAI Privacy Portal」ページの「Make a Privacy Request」ボタンを押し、「Do not train on my content」を選ぶ。画面の指示に従い、必要事項を入力して申請する |
状況によっては、ChatGPTにログインしてもオプトアウトできない場合があります。その場合は、OpenAIへの申請を行ってください。
ChatGPTによるアウトプットをビジネスで使う場合は、内容の妥当性とコピーコンテンツでないことの確認が必須です。理由と対応方法を解説します。
ChatGPTによるアウトプットは、しばしば誤った情報を含みます。チェックをしないまま情報を提供すると信用を失いかねません。
ビジネスで使う場合は以下に挙げる情報と照合して、正確かどうかチェックしてください。
ChatGPTの出力は、オリジナルとは限りません。すでに存在するコンテンツと酷似する場合があります。そのままWebに掲載すると、他者の著作権や商標を侵害するおそれがあります。掲載する前に、コピーコンテンツでないかどうかをチェックしてください。
Webサイトに掲載するコンテンツには、根拠となる情報の掲載を求められるケースがしばしばあります。「出典」は代表的な項目です。
回答の根拠を得たい場合は、プロンプトを入力する際に明記してください。出典の情報が示されますので、自身で情報の正当性をチェックできます。
ログインしてChatGPTを使うと、会話のログが残ります。不正ログインされた場合は、ログの内容を知られるリスクがあることに注意が必要です。
定期的に会話のログを削除することで、情報漏えいのリスクを下げることが可能です。以下の方法で削除してください。
削除方法 | 手順 |
---|---|
すべて削除 | 「設定」-「データ コントロール」-「すべてのチャットを削除する」で「すべて削除する」ボタンを押す |
任意のチャットを削除 | 削除したいチャットを選び、右側の「…」を押す。表示されたメニューから「削除する」を選ぶ |
ChatGPTには、無料版と有料版があります。代表的な相違点は、以下のとおりです。
項目 | 相違点 |
---|---|
月額料金 | 有料版は1ユーザー当たり月額20ドルから |
バージョン | 有料版はGPT-4.1やGPT4.5研究プレビュー版を利用できる。無料版はGPT-4oまで |
応答時間 | 有料版のほうが無料版よりも速い |
ファイルのアップロード 画像生成 | 有料版は対応。無料版は制限あり |
高度な動画付き音声 新機能をテストする機会 インタラクティブな表とグラフ | 有料版のみ対応 |
「頻繁にChatGPTに対して問い合わせる」「画像生成やファイルのアップロードを頻繁に行う」「迅速な応答が必要」「表とグラフを分析に用いる」という場合は、有料版の選択をおすすめします。
ChatGPTは事前の登録が不要ですが、登録により会話履歴の保存や画像生成などの機能を利用できます。登録自体は無料です。
ここからは、ChatGPTの登録と利用方法を確認していきましょう。有料版を登録する方法も紹介します。
ChatGPTの登録を行う場合は、以下いずれかの情報、またはアカウントが必要です。
ChatGPTのサイトの右上にある「無料でサインアップ」ボタンを押してください。「アカウントの作成」の画面で、登録に使う方法を選びましょう。メールアドレスを用いて登録する場合は、メールアドレスを入力して「続ける」ボタンを押します。その後、画面の指示に従って登録を進めます。
ChatGPTの利用は簡単です。ChatGPTのサイトにアクセスして、「質問してみましょう」の欄に質問を入力し、実行するだけで回答を得られます。
ChatGPTの有料版を用いる場合は、登録手続き後に以下の方法でアップグレードしてください。
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ChatGPTは設定しだいで、入力した情報がChatGPTの学習に使われ、他者に提供されるおそれがあります。有料版のコストは月額20ドル/人からと、安くはありません。この点において、楽天モバイルが提供する「Rakuten AI for Business」には強みがあります。少ないコストでより良い業務を遂行できます。
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