そもそもSMSとは、携帯電話端末間でテキストメッセージのやり取りができるサービスのことです。SMSは国際規格であるため、キャリアが異なる携帯電話端末同士や、海外の宛先でもメッセージの送受信が可能です。
SMSは携帯電話番号さえ分かればメッセージのやり取りができるため、メールよりも手軽なコミュニケーションツールとして普及しています。ただし、送受信できる文字数は最大全角670文字(半角英数1,530文字)となっているため、メルマガのような長文のメッセージには向いていません。用途としては、本人確認認証や予約リマインドといった、メッセージを受信する側にとって重要情報をお知らせする際に利用されるケースが多いのが特徴です。
SMSは携帯電話番号宛に送るという特性を持つため、「携帯電話端末同士でなければ利用できないのではないか?」と考えがちですが、実はパソコンからでもSMS送信が可能です。続いて、パソコンから送信する方法を、個人向け・法人向けそれぞれ紹介していきます。
個人ユーザーがパソコンからSMSを送信するには、事前準備としてSMS送信が可能なスマートフォンとパソコン同士を連携させます。連携方法はOS(iPhone/Android)によって異なりますので、以下を参考にしながら導入してください。
【iPhoneユーザーの場合】Macのメッセージ送信機能を利用するiPhoneユーザーがMacを利用してSMSを送る場合、まずはiPhone/Mac共に同じAppleIDでサインインします。iPhoneの「設定」画面で、「メッセージ」→「SMS/MMS転送」をオンにすると、同じAppleIDでサインインしているMacが表示されるので「アクティブ」に設定します。するとMacの「メッセージ機能」からSMSを送信できるようになります。
SMSを使用したいパソコンのインターネットブラウザ(Google ChromeやMicrosoft Edgeなど)でメッセージアプリを立ち上げます。
次に、Android端末側のメッセージアプリから「デバイスのペア設定」をタップし、QRコードリーダーを起動します。その上で、パソコンに表示されているQRコードを読み取ると、ペアリングが完了し、パソコンからSMSを送信できるようになります。
法人のビジネスシーンにおいて、SMSを複数の顧客に一斉送信したい場合は、「SMS送信サービス」を導入することで実現可能です。SMS送信サービスとは、SMSをより効率的に活用するためのサービスのことで、一斉送信や日時送信予約、文字数拡張など、パソコンを使ってSMSをより便利に活用できるようになります。
また、SMSの到達率やメッセージ本文内のURLクリック数の測定、CSVファイルとして出力してデータを分析するなど、マーケティング施策のツールとしての効率的な運用をサポートします。
現在、ビジネスシーンで顧客とのやり取りを行う上で最も使用されるツールはメールです。一方、SMSは個人間のやり取りに用いるサービスというイメージが強く、ビジネスシーンではSMS送信サービスはマッチしないと考える人も多いのではないでしょうか。しかし、SMS送信サービスはビジネスシーンでこそ効果を発揮します。ここでは、SMS送信サービスをビジネスシーンで利用するメリットを5つ紹介します。
SMSのメリットは顧客の携帯電話番号さえ分かれば送信可能であることです。現在ではMNP(携帯電話番号ポータビリティ)もあるため、携帯電話番号を変えなくてもキャリアの乗り換えが可能です。そのため、SMSは顧客との接点を長期的に保つ際に有効な手段といえます。メールアドレスを知らない顧客にも、携帯電話番号さえ分かれば通知できるのがメリットです。
メールは、メールアドレスの変更や複数作成が容易なので、到達率や開封率が低いことが課題に挙げられます。迷惑メールが増えることでアドレスを変更されたり、メルマガ登録用のサブアドレスを登録していたりするケースが多いためです。
一方、SMSは個人の電話番号宛に直接送信するため、到達率が99% ※ と、メールに比べて非常に高い点がメリットです。さらに、迷惑メールフォルダに振り分けられることがないことも、到達率が上がる要因の一つです。また、SMSはプッシュ通知にしている人が多いため、受信に気付いてもらいやすく、開封率も99% ※ にのぼるといわれています。
SMSは電話番号を利用するため、通話と同様に受信側は無料で利用できます。そのため、顧客が負担する必要がありません。一方、送信側は利用コストが発生しますが、文字数によって変動します。
例えば、国内のキャリア回線を利用してSMSを送信する「キャリア直接接続(キャリア直収)」の料金相場は、1通あたり「8円〜18円程度」です。データ通信のメールに比べてコストは掛かりますが、1通あたりの到達率・開封率で比較すれば、コストパフォーマンスに優れていることを実感できるでしょう。
SMS送信サービスは、あらゆるビジネスシーンで活用できます。本人到達率・開封率が高いという利点を活かし、顧客に伝えたい情報を確実に届けるツールとして役立ちます。
例えば、訪問サービスの事前連絡、配達予定日の在宅確認のほか、飲食店・宿泊施設の予約リマインドといった直前キャンセル防止策としても利用される機会が増えています。また、アンケート回答依頼やキャンペーンのお知らせなど、顧客コミュニケーションツールとしても利用可能です。
SMS送信サービスを利用すればパソコンからの送信はもちろん、複数の宛先への一斉送信、予約送信が可能です。
さらに情報の差し込み機能を使用することで、宛先ごとに本文中に記載する内容の一部を変更できます。例えば、「田中様」「佐藤様」のように顧客名を文章内に記載することで、受信する側も自分宛てに届いたメッセージとして親近感を持ってもらえるでしょう。
ここまでSMS送信サービスの特徴やメリットを紹介してきました。ビジネスシーンでのSMS利用が注目されるようになったことで、SMS送信サービスも数多く登場しています。
しかし、それぞれのサービスによって特徴や費用などが異なるため、自社の用途や送信見込み数に合わせて、最適なSMS送信サービスを選ぶ必要があります。ここでは、SMS送信サービスの選び方のポイントを4つ紹介します。
SMS送信には、「キャリア直接接続」と「国際網接続」という2つの送信方法があります。「キャリア直接接続」とは、国内のキャリア回線を利用した送信方法のことで、セキュリティと到達率が高いことが特徴です。
一方、国際回線を経由して送信する国際網接続の場合は、送信費用こそ安いものの、スパムと判断され届かない場合があります。そのため、特別な理由がなければキャリア直接接続を選んだ方が無難でしょう。
各社のSMS送信サービスによって、送信性能や到達率に違いがあります。そのため、SMS送信サービスの導入を検討する際は、各社の実績などはあらかじめ確認し複数社で比較するようにしましょう。
到達率に関しては、国際網よりも国内キャリアと直接接続の方が高いですが、同じキャリア直接接続でもキャリアによって到達率の実績が異なります。また、送信性能に関しては顧客からのSMS受信機能を持つ「双方向SMS」というサービスもあります。
SMSを本人確認に利用する「SMS認証」を導入するには、自社の認証システムとSMS送信サービスが提供するAPIを連携する必要があります。
例えば、CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)と連携すれば、既存のツールからシームレスにSMS送信が可能です。その他セキュリティを高めるサービスとの連携ができるサービスもあります。
SMS送信サービスを選ぶ際は、自社の認証システムがAPI連携に対応しているかどうかを事前に確認しましょう。
SMS送信は1通ごとに費用が発生する従量課金制です。1通あたりの費用相場は8円~18円程度とサービスによって違いがあります。1通あたり数円程度の差でも、年間でみれば大きなコスト差が生じます。
またSMS送信サービスによっては、初期費用や毎月の利用料が発生する場合もあります。毎月の送信数の目安や用途に合わせて、無理なく継続できるサービスを選ぶようにしましょう。
パソコンからSMSを送信すれば、携帯電話端末を利用するよりも効率的になります。しかし、パソコンでSMSを利用する際は、個人利用・法人利用共に、メール送信時とは異なる、SMSならではの注意点があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
パソコンからSMSを送信する場合でも、送信可能文字数に制限があることは変わりません。スマートフォンの場合は基本的には最大全角670文字まで受信可能ですが、ガラケー(フィーチャーフォン)の場合は端末によって70文字が上限の場合もあります。もし長文のお知らせを送信したい場合は、従来のメールを使う方が効率的です。
また、SMS送信サービスを利用する場合は1通あたり8円〜18円の送信費用が掛かり、携帯電話端末から送信する費用に比べて割高になります。むやみに使用すると送信コストの負担が増えるでしょう。そのためSMSは簡潔に要件を通知したい場合のみ使用するなど、目的・用途に合った使い分けが必要です。
メールの場合は、件名・本文という構成になるため、タイトルに送信元の社名を入れたり、要件を伝えたりできます。
一方、SMSは件名欄がなく、送信元が電話番号で表示されます。そのため、誰から送信されたか分かりづらく、迷惑メールや詐欺メールと勘違いされる可能性もあります。SMSを利用する際は、本文冒頭に送信者名を必ず記載するのがマナーです。ただし、送信者名を入れることで本文に使う文字数が減ってしまう点には注意が必要です。
法人の場合は、事前に送信元IDを設定することで、会社の代表電話番号などを表示することもできます。受信したSMSの送信元がわかれば、企業としての信頼性が高まり、開封率アップも期待できます。
SMSで送れるのはテキストメッセージのみで、画像や動画は送信できません。電話番号しかわからない相手に、どうしてもSMSを使って画像や動画を送りたい場合は、「Googleフォト」や「Dropbox」等のクラウドサービスにファイルをアップロードし、そのURLをメッセージに貼り付けて送信するという方法があります。
「特定電子メール法」に基づき、SMSで広告宣伝メールを送信する場合には、サービス契約時や会員登録時に事前の同意(オプトイン)が必要です。また、オプトインによる同意を得ている場合でも、広告宣伝メールを送信する際は、本文中に送信停止URLや連絡先を明記する義務(オプトアウト)もあります。
ただし、予約確認や支払督促などは広告宣伝・販促に該当しないため、特定電子メール法の対象にはなりません。
また、SMSに限りませんが、顧客の個人情報(氏名、電話番号、住所など)を利用して、企業が情報を送信する場合は、個人情報の利用目的・利用範囲を伝えることが必要です。個人情報の取り扱いは「個人情報保護法」によって守られています。事前に許諾を得ずに無断でSMS送信したり、受信停止を申告した人にSMS送信したりした場合は法律に抵触するため注意しましょう。
その他、顧客対応に関わる業務の関連法規(貸金業法、特定商取引法、景品表示法など)にも電子メール連絡に関する規定があります。例えば、貸金業法では「メールの送信回数制限」「時間制限(夜間送信禁止)」などの規定が盛り込まれています。
近年ではSMSを含め、電子メールによるトラブルや詐欺被害なども急増しているため、それに合わせて法律も年々変更されています。常に最新情報を収集しながら、運用方法を見直すことが大切です。
特定電子メール法について詳しくは、「 特定電子メール法とは?SMSにも適用される?注意事項をわかりやすく解説 」の記事をご覧ください。
本記事ではSMS送信をパソコンで使う方法やメリット、SMS送信サービスの選び方など詳しく解説しました。SMSは相手の携帯電話番号が分かればメッセージを送ることができるので、あらゆるビジネスシーンに役立ちます。特に法人利用では「SMS送信サービス」を導入することで、一斉送信や予約送信、効果測定まで行えるため、SMSをマーケティング施策としても活用の幅が広がります。SMS送信サービスは、サービスごとによって特色や機能の違いがあるため、自社の利用目的・用途に合った最適なサービスを導入しましょう。
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