BYODは総務省「平成30年版情報通信白書」により、以下のように定義されています。
Bring Your Own Deviceの略。従業員が自身で保有する端末を業務に使用すること。BYODを選べば、法人は従業員に対して新たに業務専用の端末(デバイス)を支給する必要がありません。代わりに従業員が個々に所有する端末を使い、業務を遂行します。端末はスマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど多くの種類があります。
仕事で使った分の料金は、法人から従業員に支給する必要があります。しかし、コストや手間が省けるメリットは見逃せません。
BYODは、今の時代に注目されている通信端末の活用方法です。なぜ注目されているのか、6つの理由に分けて確認していきましょう。
働き方改革や新型コロナウイルスの蔓延をきっかけとして、働き方の多様化やテレワークが普及しました。これらとBYODとの相性は良くなっています。従業員が使い慣れた端末で業務を行えることは理由の一つですが、それだけではありません。
業務用端末を貸与している場合、出社を前提としない勤務が長く続くと「本当に端末を正しく管理できているのだろうか」と不安になる場合も出てくるでしょう。もしかすると会社が知らない間に、端末に不具合が起きているかもしれません。
BYODなら、1台の端末で私用と業務用を兼用できます。不具合があると従業員も困りますから、端末を大切に扱うことが期待できます。
近年のビジネスシーンでは、クラウドサービスがよく使われるようになりました。チャットワークやSlack、Microsoft Teams、Googleドライブなどは代表的な例です。BYODはこれらのサービスとも相性が良いです。
クラウドサービスを展開する企業のサービスは、社内・社外を問わず共通して使えます。セキュリティを万全にしておけば、社外から接続した場合でも社内からの接続とリスクは変わりません。社外から安心して接続できることも、BYODを後押しする要因に挙げられます。
BYODは、BCP対策にも有効な方法です。以下のように業務用携帯を運用している法人も、あるのではないでしょうか。
上記の場合、就業時間後や休日は社内で業務用携帯を保管するケースが多いでしょう。災害が発生して従業員が出勤できない状況に陥ると、誰も業務用携帯を手に取ることができません。取引先等との連絡が取れなくなり、業務に大きな支障が生じてしまうでしょう。
BYODを選んだ場合、端末の管理者は個々の従業員です。被災しても端末は従業員の手元にありますから、オフィスが機能しなくても最低限の業務を進められることは強みです。
法人にとってコストの削減は、BYODを選びたくなる理由の一つです。例えば従業員にスマートフォンを購入して支給する場合、端末の費用は1台当たり数万円かかります。月額費用は、少なくとも月額1,000円程度は必要となるでしょう。スマートフォンをレンタルして初期費用を抑える方法もありますが、そのぶんランニングコストは高くなります。
BYODを選べば、端末を用意する費用や手間を軽減できます。業務で使ったぶんだけ支払えばよいことも、コスト削減に役立つメリットといえるでしょう。
業務用携帯など仕事用の端末を支給しない場合、BYODは生産性の向上を大きく後押しします。BYODを認めれば、書類の作成や事務作業を行うために帰社する必要がありません。訪問先から、あるいは移動中に報告などの業務を進めることができます。訪問先からの直帰もしやすくなるでしょう。残業時間と人件費が減少するとともに、業務効率化や生産性の向上にもおおいに貢献します。
BYODは、従業員が好む端末を業務にも使えることがメリットです。使い慣れた機器を仕事でも使えるため、従業員の満足度向上につながるでしょう。
またBYODは、私用の端末を業務に使うことを公認する仕組みです。「就業規則では禁止されているけれど、自分の端末のほうが使いやすいので私用携帯を使う。黙っていればわからない」などといった、私用の端末を無断で業務に使う「シャドーIT」を避けられます。リスク回避という点でも、メリットを得られる方法です。
BYODへの評価は、法人によりさまざまです。メリットを活かして活用する企業もある一方で、デメリットに懸念を持ちBYODを禁止する企業も少なくありません。どのようなメリットやデメリットがあるのか、確認していきましょう。
法人がBYODを採用することには、さまざまなメリットがあります。代表的なメリットを、以下に挙げました。
また従業員にとっても、以下のメリットがあります。以下の理由でBYODを希望する従業員も、いるかもしれません。
BYODは、経費の削減や便利さが代表的なメリットに挙げられます。
便利なBYODですが、デメリットも複数あります。法人に与えうる代表的なデメリットを、以下に挙げました。
また従業員にとっても、仕事用と私用で使ったぶんを分ける作業が面倒などのデメリットがあります。
BYODの採用により、通信や端末に関するコストは大きく下げられます。スマートフォンの端末代や通信料・通話料に関する支出を大きく削減できることに、メリットを感じる法人も多いでしょう。
一方で、節約した金額がまるまるコストの削減につながるとは限りません。セキュリティを意識するならば、法人の側でも相応の投資が必要です。ここからは法人が行うべき4つの対策を解説していきましょう。
BYODで懸念される事項の一つに、情報漏えいがあります。この事態を防ぐため、端末をまるごと管理する「MDM」や、端末のアプリを管理する「MAM」を使うとよいでしょう。
MDMには、以下の機能が備わっています。
一方でMAMには、以下の機能が備わっています。
従業員にとっては、MDMよりもMAMのほうが受け入れやすいでしょう。一方で初期費用が数万円、ランニングコストが端末1台につき月々数百円かかるサービスも多いです。管理する端末の台数が多いと、まとまった支出が必要となるでしょう。
社内システムに接続した方が正規のユーザーであっても、通信経路上で悪意ある者にデータを盗み見されると簡単にデータが漏えいしてしまいます。このため、外部と安全に接続できる環境づくりも重要です。
VPNを使えばインターネット回線上でやり取りしても、データは暗号化されているため情報漏えいのリスクが下がります。十分なセキュリティを備えたリモートアクセスツールも、選択肢となるでしょう。また状況によっては、アクセス可能な端末を制限する「アクセスコントロール」の活用や多要素認証の採用も考えられます。
法人向け、あるいは法人でも使えるクラウドサービスの活用も、ぜひ検討しておきたい項目です。多くのサービスでIDとパスワードの管理は必要となるものの、データの管理はクラウドサービスの運営会社にお任せできます。とりわけ社内・社外を問わずほぼ同じ方法で使えることに、メリットを感じる方も多いでしょう。
セキュリティ事故の多くは、人が関わっています。システムを使ってセキュリティを強化しても、従業員の意識が低いと事故が起こりやすくなります。端末を安全に使うためには適切かつ現実的な運用ルールを策定するとともに、従業員も遵守しなければなりません。
良いルールでも、守られなければ意味がありません。セキュリティの要件を満たしつつ、従業員も守りやすい運用ルールを定めましょう。また「社内SNSで通知すればOK」と思わず、広報や社内教育を含めて積極的に新しいルールを周知し、守ってもらうための取り組みを積極的に行うことが重要です。
BYODでは1台の端末で仕事とプライベートを使い分けるため、費用の精算も必須です。この点については、3つのハードルがあることに注意しなければなりません。どのような問題があるか、確認していきましょう。
従業員が所持する端末をそのままBYODで活用した場合、通話明細や通信の使用料金は仕事用とプライベートで使ったぶんが混在した状態で従業員に請求されます。プライバシーの観点から、従業員に明細を提出させて法人側で料金を計算することは難しいでしょう。仕事用とプライベートの切り分け作業は従業員が自ら行わざるを得ず、大きな負担となります。誤った金額が提出されたとしても、法人側でチェックしにくいこともデメリットです。
通信の場合は、さらに切り分けが難しくなります。明細の一覧表からどのサイトに接続したか、サイト別に消費したパケット量を割り出すことは難しいでしょう。従業員の申告を信じるほかないケースも、多いと考えられます。
楽天コミュニケーションズではこの課題に対応し、業務で使った通信料を簡単に計算できるアプリ「 モバイルチョイス・アップゲート 」を提供しています。しかし現時点では、すべての業務アプリが連携可能というわけではありません。
「公私分計サービス」は、BYODを採用する法人が業務で使った通話料金を簡単に把握できる方法です。従業員の申告を受けることなく業務で使ったぶんの料金を簡単に把握でき、正確に経費を計上できます。
一方で専用のアプリを使う必要がある、専用の番号を使う必要があるなど、従業員にとっては多少なりとも手間が増えることに注意が必要です。
法人が従業員に支給すべき経費は、通話料や通信料に限りません。使えば使うほど消耗する電池や端末本体についても、仕事で使った割合については支給する必要があります。例えばスマートフォンの電池は、500回~800回の充放電で寿命を迎えるといわれています。
もっとも法人は、私用での使用頻度を把握しにくいものです。どれだけ負担すべきか、判断が難しくなる場合も多いでしょう。一律の割合で負担すると、従業員から「少ない」「不公平」といった苦情が来るかもしれません。一方で従業員の自己申告に任せると、過大な支給を余儀なくされるおそれもあります。
BYODは、使うだけならば管理が楽で費用も安く済む方法です。一方で費用を適切に計算して支払いセキュリティも万全に整えると、手間がかかります。
このため仕事用のスマートフォンは楽天モバイル法人プランを選び、個人用と分けて支給することをおすすめします。楽天モバイル法人プランにはどのようなメリットがあるか、4つに分けて確認していきましょう。
楽天モバイル法人プランは「 my 楽天モバイル Office 」を使って、契約する回線の利用状況を把握できます。請求書のダウンロードや契約プランの変更も可能なため、Webから簡単に手続き依頼ができることもメリットの一つに挙げられます。
楽天モバイル法人プランでは、対応機種の購入も可能です。iPhone、Android、モバイルルーターともに、複数の製品から選択可能。業務にマッチした機種に統一できるため、従業員から使い方に関する問い合わせが入ってもスムーズに対応できるでしょう。管理の手間を省けることも、見逃せないメリットに挙げられます。
楽天モバイル法人プランは、貴社と楽天モバイルの間で契約を結びます。料金精算も会社間のやり取りで済むため、従業員の手を煩わせる必要はありません。料金が明確になりスムーズに支払いを進められることも、メリットといえるでしょう。
スマートフォンの故障や盗難、紛失、水没などの事態はぜひとも避けたいものですが、多くの方が何らかのトラブルに遭っています。BYODの場合は「修理に日数がかかる」「新しい端末を用意したいが、お金がないのでしばらく購入できない」といった報告を、従業員から受けるかもしれません。
楽天モバイル法人プランなら以下の費用を支払うことで、新しい端末を最短当日でスピード発送します。
破損や水没だけでなく、盗難や紛失も対象です。万が一の事態でもスピーディーに対応でき、ビジネスをできるだけ止めずに済むサポート体制を取れることは大きなメリットとなるでしょう。
BYODは法人の支出も抑えられ、従業員も使い慣れた端末を利用できる点で、良いことずくめの方法に見えます。しかし実際にはセキュリティを担保するため、さまざまなシステムやサービスを導入する必要に迫られることでしょう。通話や通信費用を適切に計算して支払うことは、難しいかもしれません。従業員の手間が増えることも、デメリットに挙げられます。
楽天モバイル法人プランならプライベート用と業務用のスマートフォンを分離できますから、安全性は高まります。請求も貴社と楽天モバイルとのやり取りで済みます。万が一の事態に、スピーディーに端末を送付してもらえるサービスも魅力的です。楽天モバイル法人プランを選び、安心・確実な事業運営を目指しましょう。