SMSとは

SMSとは、「Short Message Service」ショートメッセージサービスの略で、電話番号を利用してモバイル端末間でテキストメッセージを送り合えるサービスです。国際規格であるため、送信先が海外の端末であっても、電話番号さえ分かればメッセージの送受信が可能です(キャリアによって対応国に違いあり)。

また、SMSはスマートフォンだけでなく、従来型携帯電話(フィーチャーフォン、通称ガラケー)でも使用可能で、古くから使われているメッセージサービスの1つでもあります。

SMSの特徴とは?メール・SNSと何が違う?

世界中の多くの端末で利用されているSMSですが、メールやSNSとはどのような違いあるのでしょうか。ここでは、SMSの特徴を含めて、各コミュニケーションツールとの違いについて解説します。

SMSとメールの違い

SMSとメールは、メッセージの送受信という用途自体は同じですが、特徴や機能で異なる点が多くあります。ここでは、具体的な違いを4つ解説します。

1. 宛先

SMSを使えば、電話番号を利用してメッセージを送信できます。SMSは、メールに比べて開封率が高いことから、近年ではビジネスシーンで利用されるケースが増えています。しかし、「SMSをビジネスで活用したいけど、具体的なメリットや送信方法がよくわからない」という方も多いでしょう。

SMSの宛先は携帯電話番号である一方、メールの宛先はメールアドレスです。SMSは送信先のメールアドレスが機種変更で変わった場合でも、電話番号が同じであれば同一の宛先にメッセージを送信できます。

2. 画像や動画の送信

SMSで直接送受信できるのはテキストメッセージのみです。メールのように、画像や動画、添付ファイルなどを送り合うことはできません。

3. 送信可能文字数

SMSの送信可能文字数は、最大全角670文字です。(従来型携帯電話では、全角70文字の場合もあります。)一方、メールは容量による制限はあるものの、全角で数千文字とSMSに比べてかなり多くの文字数を送信できます。

4. 送受信料金

SMSは、送信時に料金がかかります。金額は文字数によって変動があり、全角70文字まで1通3円(3.3円)、それ以上は文字数に応じて料金が上がっていきます。メールの場合は無料で送り合うことができます。(インターネット通信料は別途発生します)

【SMSとメールの違い】
SMSとメールの違いまとめ

SMSとSNSの違い

SMSとSNSは、名称が似ているものの全く異なるサービスです。前述した通り、SMSは電話番号を宛先にショートメッセージを送信するサービスです。一方、SNSとは「Social Networking Service」ソーシャルネットワーキングサービスの略で、インターネットを通じて交流したり、不特定多数の方とつながったりするサービスです。SNSの代表例としては、Twitter、Facebook、Instagramなどがあります。

SMSを利用するメリットとは?

SMSには様々なメリットがあります。その中でも代表的なメリットを、個人向けと法人向けに分けて紹介します。

【個人向け】SMSのメリット

個人向けのSMSのメリットには、以下のようなものがあります。

・インストールや手続きが不要

SMSでは、通話可能なプランを契約していれば、申込手続きやアプリのインストールなどは必要ありません。初期設定やアカウント登録なども不要なので、誰でもすぐに利用を開始できます。ただし、格安SIMの場合は例外で、別途オプションへの申し込みや月額料金の支払いが必要なことがあります。

・引き継ぎの手続きが不要

SMSは、電話番号に紐づいているため、機種変更などを行った際でも引き継ぎの手続きは不要です。同じ電話番号のモバイル端末であれば、変更前と変わらずに継続利用が可能です。

・気軽にメッセージの送信が可能

SMSは、どの端末でも利用でき、アプリをインストールする必要がありません。そのため、スマートフォンやガラケー(フィーチャーフォン)の操作が苦手な方でも、気軽にメッセージを送信可能です。

・世界中の携帯端末同士で送受信可能

SMSは、国際規格のテキストメッセージサービスであるため、相手の電話番号がわかれば、基本的に海外の端末ともメッセージの送受信が可能です。ただし、利用料金は国内の料金よりも高額になります。

海外にいる人とSMSでやりとりする女性

【法人向け】SMSのメリット

SMSは、特に法人においてメリットの大きいコミュニケーションツールです。具体的には、以下のようなメリットがあります。

・ 開封率が高い

SMSの到達率・開封率は99%*と言われています。メールマガジンの平均開封率は22%*なので、比較するとSMSの開封率が非常に高いことがわかります。そのため、マーケティング目的のメッセージ送信のほか、本人確認通知や初回認証などでもSMSが利用されています。

  • 出典1:デロイトミック「ミックITレポート2022年10月号:A2P-SMSの配信数と売上高の現状(38.9億通207.6億円)と中期予測」
  • 出典2:リサピー「【2022年度】BtoB企業のCRM実態調査

・通信コストの削減

SMSを利用することで、電話を使ったプロモーションや問い合わせ対応に比べて通信コストを削減できます。通話の場合は、キャリアなどによって異なるものの、3分間の通話で約10円かかります。

一方、SMSは70文字で約3円です。また、電話の場合は相手が応答しないケースも少なくありません。一方、SMSの場合はテキストメッセージとして届けることができ、開封履歴も残ります。

電話に使う時間や労力を削減されれば、業務生産性の向上にもつながります。

・電話番号のみで送信可能

キャンペーン案内や重要なお知らせ、予約前日のリマインドなどを送る際に、顧客の電話番号さえ分かっていればメッセージを送信可能です。

メールアドレスと異なり、機種変更の際に電話番号を変える人が少ないため、メッセージの到達率が高い点が大きなメリットです。

【個人向け】キャリア別にSMSの特徴・料金を紹介!

ここでは主要キャリア4社を比較して、個人間でSMSを利用する場合の各社の特徴や料金設定を解説します。

料金に関して、契約プランや同キャリア間によっては送信料無料のプランもありますが、ここでは有料時の料金をまとめています。

【各キャリアのSMS送信料金(国内)】
各キャリアのSMS送信料金(国内)

楽天モバイル

楽天モバイルのSMS料金は、1〜70文字の場合3.3円で、604〜670文字の場合は33円です。しかし、Rakuten Linkというコミュニケーションアプリを使用すると、一部対象外を除きRakuten Link同士のメッセージ送受信が無料になります。また、Rakuten Link以外との送受信も、Android 9以降の楽天回線対応製品であれば、無料でSMSを送信可能です。ただし、iOS版ではRakuten Linkから送信ができないため、通常料金での送信となります。

NTTドコモ

NTTドコモのSMS料金は、1〜70文字の場合3円、604〜670文字の場合33円です。NTTドコモの電話番号、もしくはSMS相互接続他事業者へテキストメッセージを送信できます。SMS使用の申し込みは不要で、送信料金以外の月額使用料は無料です。

au

auのSMS料金は、1〜70文字の場合3.3円、604〜670文字の場合33円です。auのSMSは「Cメール」と呼ばれ、auの電話番号、もしくは国内・海外他社携帯電話にメッセージを送信できます。Cメールの利用にあたって申し込みは不要で、送信料金以外の月額使用料も無料です。

SoftBank

SoftBankのSMS料金は、1〜70文字の場合3.3円、604〜670文字の場合33円です。SoftBankの携帯電話、もしくはSMS相互接続他事業所へメッセージを送信できます。SoftBankではAndroid以外にiPhoneにも対応しており、iOS5.0 以降が対応しています。

【端末別】SMSの使い方を解説

ここでは、キャリアごとのSMSの使い方を説明します。iPhoneやAndroid端末、フィーチャーフォン、パソコンなどの使用するデバイスごとにSMSの送信方法は異なります。

iPhone/Androidの送信方法

iPhoneとAndroidでSMSを送信する方法は以下の通りです。

<iPhoneの場合>

  1. メッセージアプリを起動する
  2. 画面右上のアイコンをタップし、メッセージ入力画面を開く
  3. 宛先欄に電話番号を直接入力するか、電話帳(+アイコン)から送信先を選択する
  4. メッセージを入力する
  5. 送信ボタンをタップする
  6. 送信日時がメッセージ横に表示されたら送信完了
  • 2023年6月時点

<Androidの場合>

  1. メッセージアプリ(または電話帳アプリ)を起動する
  2. 「チャットを開始」をタップする
  3. メッセージを送信する相手の名前、電話番号のいずれかを入力する
  4. メッセージを入力する
  5. 送信ボタンをタップする
  • 2023年6月時点

iPhone、Android共に、デフォルトでインストールされている「メッセージ」アプリを使用してSMSを送信します。アプリ内の操作は多少異なるものの、いずれも簡単にSMSを利用できます。

フィーチャーフォン(ガラケー)の送信方法

フィーチャーフォンの場合は以下の手順でSMSを送信できます。

  1. メールメニューから、メール作成またはSMS作成を選択
  2. 宛先に相手の電話番号、メッセージを入力し送信

フィーチャーフォンでSMSを送信する際はメールメニューを使用します。メールアドレスを入力する宛先欄に、電話番号を入力することでSMSを送信できます。

パソコンからの送信方法

パソコンからSMSでメッセージを送信する場合は、パソコンとスマートフォンを連携させる必要があります。macOSでは、iPhoneとAndroidどちらとも連携可能です。一方、WindowsOSの場合は、Androidのみ連携できます。

SMSを利用する際の注意点

これまでSMSの特徴や料金について解説しましたが、実際にSMSを利用する際は注意点もあります。ここでは、SMSを利用する前に知っておきたい、注意すべきポイントを3つ紹介します。

格安SIMでは、SMS機能がついていないこともある

格安SIMには、「音声通話SIM」と「データSIM」の2種類があります。通話とデータ通信ができる音声通話SIMには、SMS機能が搭載されています。一方、データ通信のみのデータ通信SIMではSMSを利用することはできません。プランによってSMS利用の可否は異なるので、事前に確認する必要があります。

送信文字数に制限がある

SMSの送信可能文字数には制限があります。使用機種によって異なりますが、送信可能文字数は670文字です。メールと比べると少ない文字数でメッセージを送信する必要があります。もし、長文のメッセージを送る場合は、2通、3通と分けて送信することになるため、その分送信料金が増えてしまうことも把握しておきましょう。

画像や動画のやりとりはできない

SMSでは、画像や動画を送信できません。基本的にテキストのみでのやりとりになります。例外として、iPhone同士であればiOS独自のメッセージ機能であるiMessageを活用して、画像や動画を送信可能です。

また、絵文字に関してはSMSでも使用できますが、絵文字の種類によっては正しく表示されない場合があります。特にiPhoneでは、独自の「機種依存文字」が多いため、Android端末では文字化けする可能性もあります。

SMSでテキストのやりとりをする画面

企業のSMS活用事例を紹介

ここまでは、SMSの特徴や料金、送信方法など、基礎的な知識についてお伝えしてきました。この項では、企業のSMS活用事例について紹介します。SMSを上手に活用することで、企業のプロモーションの促進や業務効率化などに役立ちます。ぜひ導入の参考にしてみてください。

SMS送信サービス

SMS送信サービスとは、SMSを利用して通知、プロモーション、認証(本人確認)などを効率的に行えるサービスです。パソコン上の管理画面から、顧客宛にお知らせやキャンペーン案内を送信できます。

・通知

予約受付時の「予約完了通知」「予約リマインド通知」を送信する際にSMSが利用できます。また、商品配送日時のお知らせや、人材採用時の応募者への通知に活用している企業も増えています。

・プロモーション

キャンペーンや新商品のお知らせ、アンケートの実施などに活用できます。前回利用から一定期間が空いた顧客に対して状況を伺う際にも有効です。

このように、開封率・到達率が高いSMSを利用することで、顧客に伝えたい情報や通知などを届けられます。また、SMS送信サービスを使えば、一斉送信や予約配信設定、開封率の確認もできるので作業の効率化につながります。

SMS送信サービスについて詳しく知りたい方は、「SMS送信サービスのメリットとは?選び方やおすすめサービスを紹介!」の記事をご覧ください。

・認証(本人確認)

SMS認証(本人確認)とは、ログインパスワードを携帯電話宛てに送信して、ウェブサイトやシステムにログインする仕組みのことです。

ウェブサービスへのログイン時にIDやパスワードに加えて、SMS認証を取り入れている企業も多くあります。携帯電話と紐づけられるSMS認証は本人確認の確度が高く、なりすまし防止などセキュリティ対策の強化として利用されています。

SMS認証について詳しく知りたい方は、「SMS認証とは?仕組みやメリット、活用例・導入方法についても解説!」の記事をご覧ください。

「Rakuten CPaaS SMS API」を使ってSMSを利用しよう!

この記事では、SMSの特徴やビジネスでの活用方法について解説しました。メールやSNSに比べて到達率や開封率が高いSMSは、上手に使用することで生産性向上やコスト削減などにつながり、企業にとって大きいメリットがあります。

SMSを効率的に利用する手段としておすすめのサービスが、「Rakuten CPaaS SMS API」です。Rakuten CPaaS SMS APIサービスは、フィーチャーフォンやスマートフォンに対し、SMSを一括/個別で送信し、企業と顧客の円滑なコミュニケーションを実現する法人向けサービスです。

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