eSIMとSIMカード(物理SIMカード)の大きな違いは、形と使い方です。SIMカードは小さなカードで、スマホに差し込んで使います。
しかし、eSIMは電子的にデバイスに内蔵されていて、カードの差し込みが不要です。eSIMはオンラインで通信プランを選んで使えますが、SIMカードは新しいカードを入れ替えたり、デバイスを再起動したりする手間がかかります。
eSIMはとても柔軟で、プランを変えやすい一方、SIMカードは交換が必要で新しいカードを取得する必要があります。端的に言うとeSIMは簡単で便利な方法です。
スマホを契約する場合、これまではSIMカードを発行してもらい、本体にセットする作業が必須でした。SIMカードには、スマホを契約する上で欠かせない以下の情報が格納されています。
eSIMでは上記の作業を行う代わりに、SIMカードに記録するべき情報を端末本体に格納しています。そのためカードタイプの「SIMカード」がなくても、Webで開通手続きをするだけで使い始めることが可能です。いちいちSIMカードの発行を待ち、セットする手間を省けることが特徴です。
eSIMの活用には、9つのメリットがあります。それぞれの項目について、どのようなメリットがあるか詳しく解説します。
eSIMの最も大きなメリットの1つに、開通までの手続きがスムーズという点が挙げられます。eSIMを購入済み、かつeSIM対応のスマホをお持ちの場合は、お申し込みから開通までの手続きをWebで完結させることも可能です。都合のよいタイミングで迅速に使い始められるため、Webで契約するハードルも下がります。
eSIMは契約手続きが完了するとすぐに通信サービスを利用できます。開通がスムーズということは、緊急時や旅行先などで急に通信が必要になった場合、eSIMを利用して迅速に通信プランをアクティベート(認証処理)することもできます。
一方でSIMカードをWebで申し込む手続きは、eSIMほどスムーズではありません。宅配業者による配送が必要となるため、SIMカードやスマホが到着するまでの日数がかかることは難点です。契約中の通信事業者によっては、MNPを行う場合に回線を利用できない期間が生じる可能性もあります。MNPとは他の通信事業者に乗り換えても、同じ電話番号を使い続けられる仕組みを指します。
仕事に必要とはいえ、従業員に対して1台数万円ものスマホ機器を支給することは、会社にとっては大きな負担です。eSIMを活用できるスマホのなかには、次のような機種もあります。
例えば従業員が持つスマホが上記いずれかの対応をしていれば、1台でビジネスとプライベートの使い分けが可能です。貴社は回線契約だけを行えばよいため、スマホ機器の費用負担をせずに済むことは大きなメリットに挙げられます。
従業員に複数のデバイスを支給する代わりに、1台のスマートフォンを使って複数の回線を切り替えて使うことができるので、スマートフォンの購入費だけでなくメンテナンスコストを抑えることもできます。また、従業員ごとに最適な通信プランを選択することもできるため、普段電話をよく活用する営業セクションとバックオフィスセクションにおいて、異なるプランを選択できます。
回線を切り替える場合、多くのスマホでは物理的なSIMカードの抜き差しが必要です。その都度電源を切って本体に差し込まれているSIMカードを交換することは、手間がかかるものです。加えて以下の理由により、SIMカードが使えなくなるリスクもあります。
SIMカードを抜き差しする際に、静電気が発生する可能性があります。この影響によりSIMカードに損傷を与えることがあります。eSIMは物理的な取り扱いが不要であるため、静電気による問題は発生しません。
SIMカードは小さなカードですので、うっかり落としたり、挿入や取り出しの際に破損する可能性があります。eSIMはデバイス内に組み込まれているので、物理的な破損リスクが低減します。
SIMカードが破損したり紛失した場合、データの損失や不正アクセスのリスクが生じることがあります。eSIMの場合、データはデバイス内部に保持されていますので、データの安全性が高まります。
SIMカードが破損した場合、新しいカードを入手し、デバイスを再設定する手間がかかります。eSIMの場合、新しいeSIMプロファイルを簡単にアクティベートでき、急な交換が容易です。
複数のeSIMに対応するスマホならば、この心配はいりません。eSIMの切り替えは、画面上のメニューで設定を切り替えるだけで、新しいeSIMを使えます。破損により使えなくなるリスクから解放されることは、大きなメリットの1つです。
解約やMNPを行った場合、手元にSIMカードが残る場合があります。以下のケースが代表的です。
物理SIMカードを使用する場合、通信契約を解約する際、通常はキャリアにSIMカードを返却する必要があります。しかし、eSIMを活用する場合、SIMカードが物理的に存在しないため、解約後にSIMカードの返却手続きを心配する必要はありません。
一般的なMNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)プロセスでは、新しいキャリアに切り替える際、新しいSIMカードを受け取り、旧SIMカードを無効化する必要があります。しかし、eSIMを使用する場合、新しいキャリアに契約したeSIMプロファイルをデバイスにアクティベートするだけで済みます。
上記に該当する場合、残ったSIMカードをどうすればよいか悩むかもしれません。
これに対してeSIMでは、将来解約やMNPを行ってもSIMカードは残りません。特にMNPで元の機器をそのまま使い続ける場合、手続き終了後に何もしなくてよいことは大きなメリットとなります。
eSIMを使用する場合、スマートフォンやデバイス内にSIMカードのスロットが必要ありません。デバイスのデザインがよりコンパクトになり、本体内のスペースを有効活用できます。また、スロットがないため、水や塵からの保護が向上します。
eSIMはリモートから設定変更が可能です。新しい通信プランやキャリアに切り替える際、SIMカードを差し替える必要がなく、オンラインで設定を変更できます。
eSIMを使用することで、国際ローミング時に現地の通信プランに簡単に切り替えることができます。高額なローミング料金を回避し、海外での通信費用を削減できます。
1つのデバイスで複数の通信回線を使えるため、複数のデバイスを持ち運ぶ必要がありません。デバイスの持ち運びが簡便になり、生活や仕事の便益が向上します。
eSIMは物理SIMカードを不要にし、製造と廃棄に関連する環境への負荷を軽減します。持続可能性に貢献し、電子デバイスの生産に伴う資源消費を減少させます。
ここまでeSIMのメリットをご紹介しましたが、デメリットが全くないわけではありません。後悔しないためにも、契約前にeSIMのデメリットを知っておくことは重要です。
機種変更などで別の機種を使う場合、SIMカードならばカードの差し替えが可能です。一方で物理的なSIMカードが無いeSIMでは、ひと手間かかります。
eSIMの場合は通信事業者に対して、eSIMの再発行手続きが必要となります。その上で、新しいeSIMの設定も行わなければなりません。
eSIMに対応するスマホは、まだ多くありません。非対応の機種では、SIMカードの利用が必須となります。
このためeSIMのメリットを活用したい場合は、対応する機種のなかから選ぶ必要があります。その結果、希望する機種を選べないかもしれません。
eSIMの初期設定を自分で行う場合は、Wi-Fi回線への接続が必須です。貴社ですでにWi-Fi環境やルータを導入済みであれば、この点はクリアできるでしょう。
一方でWi-Fi環境が整っていない場合は、外出して設定しなければなりません。このときパスワード無しで接続できる、またはセキュリティが甘いWi-Fiスポットに接続することはおすすめできません。重要な情報を悪意のある者に傍受され、悪用される恐れがあるからです。貴社のデータを守るためには信頼できるWi-Fiスポットを選ぶことが必要ですが、そのためには手間も時間もかかる場合があります。
SIMカードを交換する場合、通常はSIMカードのデータをバックアップしておけば、新しいカードにデータを移行できます。しかし、eSIMの場合データのバックアップと復元が一部のデバイスやキャリアで複雑な場合があります。
総務省は2024年にはスマートフォン出荷台数のうち、33.8%がeSIM対応端末と予測しています。またカウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチの調査によると、2018年はeSIM内蔵デバイスの出荷台数は全世界で3億6,400万台に対し、2025年は約20億台と予測しています。今後はますますesimが普及されていくと思われますが、しかし現在はまだSIMカードが主流と言えます。
そこでSIMカード活用するメリットとデメリットも紹介しておきましょう。
SIMカードはスマートフォンの歴史上、長い期間使用されており、国内だけでなく世界中で広く普及しています。ほとんどのスマートフォンとデバイスがSIMカードに対応しており、さまざまなキャリアや国際ローミングに対応しています。
eSIMと比較してSIMカードの方が互換性が高いと言えます。
新しいスマートフォンに乗り換える際、SIMカードを新しいデバイスに挿入するだけで、簡単に通信サービスを移行できます。eSIMの場合は、プロファイルの移行操作がSIMカードよりも手間がかかる場合がります。
SIMカードを利用する場合、キャリアを比較的容易に切り替えることができます。MNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)制度を活用して、電話番号を保持しながら別のキャリアに移行できます。一方、eSIMはキャリアによって制約がある場合があります。
SIMカードは物理的なカードとして存在しているため、バックアップが必要な場合は別のデバイスに挿入できます。デバイスのトラブルや紛失の際にバックアップとしての利用が可能です。
SIMカードはデバイスとは切り離されています。デバイスのセキュリティが依存せず、セキュアな通信が実現されます。一方、eSIMはデバイス内部に保存されるため、デバイス自体のセキュリティが依存し、盗難や不正アクセスに対するリスクが高まることがあります。
SIMカードは物理的なカードであるため、紛失や損傷のリスクが存在します。とても小さなカードのため、スマホから取り外した後、保管した場所を忘れてしまったり、紛失してしまうリスクがあります。
SIMカードはデバイスに固有のものであり、スマートフォンを変更するたびに新しいSIMかかるカードが必要になります。デバイスの選択肢が制約されます。
SIMカードの交換や移行には、キャリアに連絡し、新しいカードを取得するための手続きが必要です。SIMカードを入手するには、店舗へ出向くまたは郵送してもらう必要があるため、時間がかかることがあります。
物理的なSIMカードは取り外し可能で、紛失や盗難に対するセキュリティリスクがあります。また、SIMカードを挿入または取り外す際、デバイスが無効になることがあるため、一時的な通信の中断が発生します。
MNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)とはキャリア(通信事業者)を変更する際に、同じ電話番号のまま別の通信事業者に切り替える手続きです。
eSIMとSIMカードの両方でMNPを行うことができます。果たしてどちらが簡単か比較してみましょう。
SIMカードは新しい通信事業者に移行する場合、これまで使っていたSIMカードを破棄し新しいSIMカードを受け取り、スマートフォンに挿入する必要があります。つまりSIMカードを交換する必要があります。そして挿入後スマートフォンを再起動します。
新しいSIMカードを受け取り、デバイスを再設定するためにいくつかの手続きが必要で、所要時間がかかることがあります。また、古いSIMカードは無効化されます。
eSIMの場合、新しい通信事業者に移行する際、物理的なSIMカードの交換が不要です。代わりに、通信事業者がeSIMをプログラムし、新しい通信プランを提供します。
利用者は通信事業者のウェブサイトやアプリを使用して、新しいプランを選択し、eSIMをアクティベート(認証処理)できます。物理的なSIMカードの交換やデバイスの再設定は不要です。
eSIMを使用したMNPの方が簡単で迅速です。SIMカードを交換する手続きは、デバイスの再設定や再起動が必要で、手間と時間がかかることがあります。
eSIMの場合は利用可能な地域や通信事業者、利用できる端末等に制限がるため、利用できるかどうかは場所やスマートフォン機種に依存しますが、MNP手続き自体はeSIMの方がとても容易です。
今後、eSIMの普及率が更に上がり、煩雑な手続きがどんどん簡単になるといいですね。
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「Rakuten最強プラン ビジネス」なら大量にデータを使う場合でも、お得な料金でコストを下げることが可能です。少量しかデータを使わない場合は低額のプランを選び、さらにランニングコストを下げられます。データ容量を使い切った後も最大200kbpsで通信できますから、データを多く使う事態が急きょ発生した場合でも通信不能となる心配はいりません。
プラン名 | データ容量 | 月額料金 | 主な用途 |
---|---|---|---|
音声+データ3GBプラン | 3GB | 1,980円(税込2,178円) | 通話、アプリでの画像のやり取り、チャット |
音声+データ5GBプラン | 5GB | 2,380円(税込2,618円) | 通話、クラウドサービスの利用やファイルのダウンロード |
音声+データ30GBプラン | 30GB | 2,780円(税込3,058円) | 通話、営業先との商談やメール |
音声+データ無制限プラン | 30GB | 2,980円(税込3,278円) | 通話、長時間のインターネット利用、Webミーティング |
プラン名 | データ容量 | 月額料金 | 主な用途 |
---|---|---|---|
データ3GB | 3GB | 980円(税込1,078円) | メール、チャット |
データ7GB | 7GB | 1,480円(税込1,628円) | 社内外でのデータ通信、タブレットでの使用 |
データ30GB | 30GB | 2,380円(税込2,618円) | モバイルルーター |
音声通話SIMとデータSIMの詳しい違いが知りたい方は「法人用携帯はどちらがおトク?音声通話SIMとデータSIMの違いを徹底解剖!」をご覧ください。
「Rakuten最強プラン ビジネス」ではeSIM対応機種の取り扱いもあり、スマホとeSIMをセットで契約することが可能です。
eSIMはスピーディーに開通手続きが行えるなど、ビジネスのスピードアップに貢献できることは大きなメリットです。一方でデメリットもあるので、特徴をよく知った上で選ぶことをおすすめします。上手に活用し、貴社のコスト削減に結びつけましょう。
さらに、お申し込みをWebで行えるため、24時間いつでもスムーズにお手続きいただけます。月額料金が安価な点も魅力ですので、eSIMの契約を考えている方は、この機会に「Rakuten最強プラン ビジネス」を検討されてみてはいかがでしょうか。
スマホの乗り換えが以前より楽になりました。理由は『スマホは乗り換えやすい時代に。法人携帯はお得な「Rakuten最強プラン ビジネス」でコスト削減を』で解説していますので、ぜひ、ご参照ください。