5Gと光回線はどちらもインターネットを利用するために必要な回線です。5Gと光回線にはさまざまな特徴の違いがあります。法人でインターネット回線を利用する際には、どちらが適しているのか考える必要があるでしょう。この記事では、5Gと光回線を通信方式の違いからはじまり、それぞれの特徴を比較して解説します。
5Gと光回線の最大の違いは、通信方式です。5Gは無線通信であり、基地局を介してスマートフォンやモバイルルーターと通信するのに対し、光回線は有線通信で、光ファイバーケーブルを使ってインターネットに接続します。
また、5Gは次世代のモバイルネットワークとして進化を続けており、モバイル端末だけでなく、IoTや自動運転、遠隔操作といった新しい分野でも活用が進んでいます。一方、光回線は従来の固定回線インフラとして、家庭や企業の大容量通信を支える基盤になっています。
さらに、5Gは今後の技術革新によってエリアの拡大や通信品質の向上が見込まれるのに対し、光回線はすでに確立された技術であり、安定した高速通信を長期間利用できるのが特徴です。
このように、5Gと光回線は通信技術の根本が異なり、それぞれの役割が違うため、どちらを選ぶかは用途や目的によって決まります。
5Gと光回線の通信方式の違いを踏まえたうえで、それぞれの特徴について比較していきます。
理論上の最大通信速度は、5Gでは10~20Gbps、光回線では1~10Gbpsです。理論値では5Gが光回線よりも通信速度が速いことになります。しかし、どちらも理論上の数値のため、利用環境などにより、実測値は異なります。
通信の安定性や信頼性を考慮すると、無線通信の5Gよりも、有線接続の光回線のほうが優位性があるといえます。
5Gの通信速度は、基地局との距離や同時に回線を利用する人数の影響を受けやすく、大きく変動します。例えば、イベント会場のように人が密集するエリアでは、モバイル回線の通信環境が悪化し、接続が困難になることもあります。さらに、災害時などでは、より多くの人がインターネットを利用できるよう、意図的に通信速度が制限されることがあります。
一方、光回線も利用者の増加による影響を受けることはありますが、有線接続であるため、5Gと比べて比較的安定した高速通信が見込めます。
5Gは、月ごとのデータ通信量に上限が設けられており、規定量を超過すると通信速度制限がかかることがほとんどです。一方の光回線は、基本的にデータ通信量は設定されていません。
一部のプロバイダーなどでは、通信制限が設定されていることもありますが、よほどのことがない限り、上限を超えることはないでしょう。日常的にオンライン会議や大容量データの送受信を行うのであれば、光回線を利用した方がよいといえます。
5Gは、対応端末を用意し、対応する通信会社と契約すれば、すぐに利用を開始できます。一方で、新たに光回線を導入する際は、開通工事が必要になるため、申し込んですぐに使えるわけではありません。また、通信事業者とは別にプロバイダーとの契約が求められるケースもあります。
光回線を利用するには、通信会社が提供する回線終端装置(ONU)が不可欠です。さらに、Wi-Fi環境を整える場合は、無線LANルーターを別途準備する必要があります。
2025年1月現在のキャリアの5Gデータ無制限プランの月額料金は概ね7,000円強となっています。
一方、光回線は通信の安定性や速度の観点で5Gとは異なるものの、コスト面では以下のような特徴があります。
回線の種類 | 月額料金の目安 | |
---|---|---|
5G | データ無制限プラン | 月額7,000円強 |
光回線 | KŌSOKU Access | 月額17,800円 (税込19,580円) |
共有型回線 (一般的な家庭用・法人向けプラン) | 月額4,000~6,000円程度 | |
専有型回線 (高品質・帯域確保型のプラン) | 月額2~3万円前後 (回線帯域による) | |
10Gbps対応・帯域確保型回線 | 10万円~数十万円 |
一般的な利用シーンを考えると、高速かつ安定した通信を求める場合、光回線が有利です。特に共有型回線であれば、5Gより低コストで安定した通信を利用できる可能性が高いでしょう。
但し、外出先での利用やモバイル環境での柔軟性を考慮すると5Gに軍配が上がるため、用途に応じた選択が重要です。
5Gは無線通信のため、スマートフォンやモバイルルーターを使って外出先や移動中でもインターネットに接続できるのが特徴です。
固定の場所での利用が多いけれど、建物の立地などにより光回線の工事が難しい場合でも、5Gが適しています。このように、5Gは「どこでも使える柔軟性」があります。
光回線は有線通信のため、自宅やオフィスなどの固定環境で安定した通信ができるのが強みです。また、Wi-Fiルーターを設置することで、家の中であればスマートフォンやタブレットも無線で接続できます。
自社の拠点のなかで安定したネットワークを構築したい場合は、光回線が適しています。また、在宅ワークで安定した通信回線が必要な場合も、光回線を導入するほうがよいでしょう。光回線は「固定環境での快適な通信」が特徴といえます。
光回線と5Gを併用することで、通信障害やメンテナンス時に影響を受けずにインターネットを使い続けることができます。特に、以下のようなシーンでは、バックアップ回線があることで安心して業務や日常のインターネット利用が可能になります。
5Gは基地局の影響を受けやすく、通信障害や混雑によって速度低下や接続不可になることがあります。また、大規模イベントや災害時には通信制限がかかる可能性も。こうした際に光回線があれば、途切れることなく動画配信やオンライン会議、クラウドサービスを利用できます。
光回線の通信障害やメンテナンス時には、5Gを活用することで途切れることなく作業を続けられます。例えば、在宅勤務中に光回線が不調になった場合、スマートフォンのテザリングや5G対応モバイルルーターを使えば、オンライン会議や業務を中断せずに進めることができます。
災害や突発的な回線トラブルによってインターネットが使えなくなるリスクもあります。特に、停電時には固定回線も影響を受けることがありますが、モバイルバッテリーと5G端末を組み合わせれば通信を確保できるケースもあります。逆に、5Gの基地局が被災した場合は、光回線をメインに活用することで安定した通信環境を維持できます。
モバイル回線も5Gの登場で、光回線と遜色のない通信速度となりました。5Gと光回線のどちらにもそれぞれの強みがあります。まずは、自社のインターネットやクラウドサービスなどの使用頻度、業務内容などから、5Gか光回線のどちらかに絞って契約した方がよいのか、併用した方がよいのかを検討する必要があります。
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