DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を用いて業務を変革する取り組みを指します。単なる業務効率化やITサービスの導入にとどまらず、仕事の進め方や業務内容も変え、新たな価値を生み出す取り組みです。
介護DXは、介護業界や介護事業所で取り組まれるDXです。介護DXを進めることで、事業所は以下の成果を得ることが可能です。
介護の業務には、さまざまな課題があります。DXが求められる理由も含めて、詳しく解説します。
介護職員が担当する業務には、以下の課題があります。
令和3年度(2021年度)介護労働実態調査において、多くの介護労働者は以下の課題を挙げました。
また2022年の介護職員の賃金は、全産業の平均金額の8割程度にとどまりました。
厚生労働省は令和5年9月8日に公開した資料で、職員の不足に直面する介護事業所が多いことを示しました。
「介護のニーズはより高まるが、職員の確保は簡単ではない」という日本の状況の中で、介護事業所は少人数でも定められた業務を遂行する必要に迫られています。
介護事業所のなかには、紙や電話・FAXといった方法で業務を行うケースも少なくありません。この方法には、以下の課題があります。
迅速な業務の遂行、やり取りをスムーズに行うこと、保管スペースの削減を実現するためには、ペーパーレスの取り組みが必要です。DXはペーパーレス化を進める、有効な方法です。
厚生労働省は2021年4月1日から、科学的介護情報システム(LIFE)を運用しています。LIFEには介護サービスに関するエビデンスが蓄積されているため、事業所は介護に関する情報を提出することで、LIFEから適切なフィードバックを受けることが可能です。
科学的な裏付けに基づく介護を実現するため、LIFEへの対応が求められています。このことも、DXが求められる理由の一つです。
介護の業務にDXを活用することで、さまざまなメリットを得られます。
介護の業務にDXを用いることで、以下のサービスを実現できます。
職員の人数が少ない場合でも、高い品質の介護サービスを提供できることは魅力です。
DX化を契機に、新たなシステムを導入するケースも多いでしょう。計算や検索、更新といった作業は、システムの頭脳にあたるコンピューターの得意分野です。これまで紙と電卓を使っていた作業も、システムを使えば迅速かつ正確に行えます。空いた時間を労働環境の改善や、利用者への対応にあてられるため、職員と利用者双方に良い結果をもたらします。
DX化は以下のように、紙の使用量を減らす効果ももたらします。
ペーパーレス化を実現できるため、重くてかさばる書類の保管場所を確保する必要はありません。そのぶん、利用者向けのスペースを増やせるでしょう。書類の保管に倉庫を使っている事業所は、保管費用の節約も可能です。
介護の業務でDXを実現するためには、押さえておきたい3つのポイントがあります。どのような点に注意が必要か、詳しく確認していきましょう。
目的や実現したい内容を明らかにすることは、DXの実現に欠かせない項目です。なぜならDXを業績の向上や労働環境の改善につなげるためには、目的に適合した手法やサービスの選定が鍵となるためです。
例えば事務作業の効率化と職員の負担軽減では、取るべき解決策が異なります。現状をどうしたいのかはっきりさせることは、DXを実現させる近道です。
DXを実現するために、システムを導入するケースも多いでしょう。その際にはあらかじめ現場の職員にも使用してもらい、事業所に適したシステムを選定することが大切です。
介護職員は入居者への対応を行うため、建物内の移動が頻繁に発生します。他の職員と、なかなか対面で話せないケースもあるのではないでしょうか?モバイル端末の積極的な活用で、この課題を解決できます。
離れた場所でも円滑にコミュニケーションを取るためには、スマートフォンに加えてハンズフリーで話せる「インカム」を組み合わせることがおすすめです。どこにいても情報を共有・連携でき、迅速かつ適切な対応を行えるため、利用者の満足度を向上できる点は魅力です。
楽天モバイルでは上記のサービスを、「スマホインカム基本パッケージ」で提供しています。この機会に、導入をぜひご検討ください。
株式会社木下の介護様では、「Rakuten最強プランビジネス」を導入して介護DXを実現しました。職員はスマートフォンを使って、入居者様の呼吸や脈拍などの状態をいつでも確認できます。この結果、夜間の見守り業務を効率化しながら、入居者様の健康状態をより正確に把握することが可能となりました。詳細は「導入事例株式会社木下の介護様」記事をご参照ください。
介護事業所がDX化に取り組むことで、介護業界が抱える多くの課題を解決できます。
どの業務からDXに取り組むべきかという項目は、事業所により異なります。まずは課題をリストアップし、優先度の高い業務から取り組むことが介護DXの実現への近道です。積極的にDXへの取り組みを進め、優れたサービスを利用者に提供し、職員も働きやすい職場を実現してください。