スマホは法人の固定電話として利用可能？方法からメリット・デメリットまで解説

固定電話番号の転送サービスを利用する

固定電話番号をスマホで利用する方法の一つに、電話転送サービスがあります。これは、固定電話にかかってきた電話をスマホに転送するサービスです。固定電話番号は維持したまま、着信をスマホで受けられます。

転送サービスを利用するには、まず固定電話の会社に転送サービスを申し込みしなければいけません。その後、転送先のスマホ番号を登録します。設定が完了すれば、固定電話への着信がスマホに転送される仕組みです。

ただし、転送サービスを利用する場合、固定電話の契約は継続する必要があります。また、転送料金が別途かかる点にも注意が必要です。

クラウドPBXサービスを導入する

クラウドPBXサービスを導入すると、スマホで固定電話番号を利用できます。クラウドPBXとは、インターネットを介して電話の発着信を行うサービスです。固定電話番号を取得し、その番号をスマホやパソコンに紐付けることで、どこからでも固定電話番号で通話ができる仕組みです。

クラウドPBXを導入するには、まずサービス提供会社に申し込みを行います。その後、専用のアプリをスマホにインストールし、アカウントを作成します。これで設定は完了です。あとは、アプリを起動すれば発着信できるようになります。

クラウドPBXは、インターネット環境さえあれば利用できる手軽さが特徴です。ただし、インターネット回線の状態によって通話品質が安定しない場合もあります。

固定電話番号取得アプリを利用する

固定電話番号を取得できるアプリを利用するのも、スマホで固定電話を利用する方法の一つです。アプリをスマホにインストールし、アカウントを作成すると、固定電話番号を取得できます。

アプリをダウンロードしてインストールします。次に、アプリを起動し、アカウントの作成です。必要な情報を入力し、固定電話番号を選択すれば、設定は完了します。

固定電話番号取得アプリは、初期費用を抑えられるのが大きなメリットです。アプリのインストールだけで利用を開始できるため、手軽に固定電話番号を取得できます。ただし、アプリによっては、通話料金が高額になる場合もあるので、料金体系は事前に確認しておくようにしましょう。

外出先からでも固定電話番号で発着信できる

スマホを固定電話として利用する最大のメリットは、外出先からでも固定電話番号で発着信できる点です。

従来の固定電話は、オフィスに設置された電話機でしか使用できませんでした。しかし、スマホを固定電話化することで、どこにいても会社の代表番号で通話ができます。

営業担当者や外回りの多い社員にとって、この機動性の高さは大きなメリットです。お客様や取引先との連絡がスムーズになり、ビジネスチャンスを逃しません。

導入コストを抑えられる

スマホを固定電話として利用すると、導入コストを抑えられます。

固定電話を新設する場合、電話機の購入や工事費用などの初期費用がかかります。また、毎月の基本料金や通話料金も必要です。

一方、スマホを固定電話化する場合、アプリのインストールや転送サービスの利用だけで済むケースが多いです。既存のスマホを活用できるため、新たな機器の購入は必要ありません。

もちろん、サービスによっては一定の費用がかかります。ただ、固定電話を一から導入するよりは、トータルのコストを抑えられる可能性があります。

リモートワークに対応しやすい

昨今、リモートワークを導入する企業が増えています。オフィスに出勤せずに自宅で働く社員にとって、スマホでの固定電話利用は欠かせません。

自宅には会社の内線電話がありません。かといって、社員の個人番号を取引先に伝えるのもプライバシーの問題があります。そこで、スマホを固定電話化することで、自宅でも会社の代表番号で通話ができるようになります。

在宅勤務でも、オフィスにいるのと同じように連絡が取れる環境整備は、リモートワークを成功させるポイントの一つです。スマホを活用して、場所に捉われない柔軟な働き方を実現できます。

通話品質の問題点

スマホを固定電話として利用する際の最大のデメリットは、通話品質の問題です。

固定電話は、専用の回線を使用しているため、通話品質が安定しています。一方、スマホは電波の状況に左右されやすく、場所によっては音声が途切れたり、雑音が入ったりするかもしれません。

特に、クラウドPBXサービスを利用する場合、インターネット回線の状態が通話品質に直結します。回線が不安定だと、通話が突然切れてしまうこともあるので注意してください。

大切な商談の際に通話品質が悪いと、相手に不信感を与えかねません。スマホを固定電話として使用する場合は、通信環境をしっかり確認しましょう。

セキュリティリスク

スマホで業務を行う場合、セキュリティ面のリスクも懸念されます。

スマホは、個人的な連絡にも使用されるため、業務上の情報と私的な情報が混在しがちです。万が一、スマホを紛失したり、盗難に遭ったりした場合、会社の機密情報が漏洩するおそれもあります。

また、スマホのアプリのなかにはセキュリティ対策が不十分なものもあります。アプリを経由して、マルウェアに感染したり、情報を抜き取られたりするリスクもゼロではありません。

固定電話として使用する際も、業務用のスマホを別に用意するなど、セキュリティ対策を講じる必要があります。

プライベートとの境界があいまい

スマホは私生活でも使用するデバイスです。仕事とプライベートの境界があいまいになりやすいのが難点です。

会社の代表番号をスマホに設定すると、客先から夜中や休日に電話がかかってくることもあります。オンとオフの切り替えがしにくく、プライベートな時間を邪魔されてしまうおそれがあるのです。

そのため、スマホを固定電話として利用する場合は、業務時間外の対応ルールを決めておきましょう。急ぎの案件以外は、翌営業日に折り返すなど、メリハリが大切です。

使用するアプリによっては、業務時間外は着信を停止できる機能もあります。ワークライフバランスを保つためにも、こうした機能を有効活用するのがおすすめです。