稟議書を徹底解説!目的や必要性、書き方のポイントやテンプレートを紹介

稟議書は、職場で日常的に使われる書類の一つです。せっかく書いてもさまざまな指摘をされ、なかなか承認されない。一方で、1回で稟議書を通す方もいる。皆さまは、こんな悩みや不満をお持ちかもしれません。

稟議書を決裁までスムーズに導くためには、稟議書とはどのような書類か、また記入する際のポイントを知っておくことが重要です。良い稟議書を書ける方は業務と書き方のコツを押さえているため、仕事ができるという評価を受けやすくなるでしょう。

この記事では、稟議書の例も紹介します。良い稟議書を書けるよう、この記事で学びましょう。
稟議書を徹底解説!目的や必要性、書き方のポイントやテンプレートを紹介

稟議書は日常的に使われる、事業運営に欠かせない書類

稟議書は日常的に使われる、事業運営に欠かせない書類

組織で働いていると、しばしば自らの権限を超えた判断が求められるケースがあります。このような場合は、上司や経営陣の判断を仰がなければなりません。一方で、これらの案件を毎回会議で決めることは非現実的です。

稟議書は、この課題を解決する目的で使われる書類です。会議を開かずに法人の意思決定や判断ができるため、日々の業務でよく使われます。ここでは3つの特徴を通して、稟議書をより深く理解してください。

稟議は大きく3種類に分かれる

稟議は、大きく以下の3種類に分かれます。


稟議の種類 解説
契約稟議 業務委託や業務提携、保守契約など、社外の取引先と契約を結ぶ際に使われる
購買稟議 備品や機械、サービスなど、事業活動に必要なものを購入する際に使われる
採用稟議 従業員を新規に採用する際に使われる

これから稟議書を作成する場合は、どの種類に該当するか意識するとスムーズに書きやすくなるでしょう。

類似した用語との相違点

稟議や稟議書と関連する、または類似する用語には、以下のものがあります。

  • 起案書
  • 承認
  • 決裁
  • 回議

これらの用語は、稟議や稟議書との違いがあるのでしょうか。また異なる場合は、どこに相違点があるのでしょうか。詳しく確認していきましょう。

「起案書」は稟議書とほぼ同じ意味で使われる

起案書は、稟議書とほぼ同じ意味で使われます。そもそも起案とは、決裁を得るために必要な事項を文書にまとめることを指します。

稟議書も、同様の目的で作成される文書です。起案書の書き方でお悩みの場合も、この記事で示す書き方やポイントを活かせます。

承認や決裁との相違点

稟議書は、作成(起案)から承認を経て決裁されます。この一連の流れを稟議と呼びます。

一方で承認や決裁は、稟議で行われる手続きの一部です。承認は稟議書に記された内容を了承すること、決裁は稟議書に記された内容を法人として了承し、実行を許可するステップです。

回議との相違点

回議は、法人によって意味が変わる用語です。一例を以下に挙げました。

  • 起案者から決裁者まで、承認を経ながら稟議書を順番に回す
  • 稟議書を関係者に回して意見を聞く。または承諾を求める

関係者に広く意見を求めることは共通していますが、決定するプロセスを含むかどうかは法人により異なります。事前に意味を確認しておきましょう。

紙に出力せずに稟議書を提出するシステムもある

IT化の流れは稟議書も例外ではなく、「電子稟議システム」や「ワークフロー」が実用化されています。必要事項を入力してボタンを押すと、上位者に稟議内容が回る仕組みです。承認者や決裁者は内容を確認し、問題が無ければボタンを押すだけ。押印の手間がかからない簡便さと、記録を残せる点が魅力です。

稟議書のメリットとデメリット

稟議書のメリットとデメリット

稟議書にはさまざまなメリットがあるため、法人の事業活動によく使われます。一方で稟議書が適さない場面もあります。ここからは稟議書のメリットとデメリットについて、確認していきましょう。

稟議書を活用するメリット

まず稟議書を活用するメリットを、以下にまとめました。

  • いちいち会議を開かなくても、重要な案件を決められる
  • 文書で提出されるため、稟議内容をじっくり判断・検討できる
  • 複数の承認者でチェックする場合が多く、チェック漏れや思い込みによる問題が起こりにくい

稟議書には法人として重要な決定を確実に、かつ会議を開かなくても行えるメリットがあります。

稟議書を使うデメリットと注意点

稟議書は重要事項をスムーズに行う手段として有効ですが、以下に挙げるデメリットと注意点があることも認識しておきましょう。

  • 稟議書の作成にリソースが割かれる。特に起案者には大きな負担がかかる
  • 決裁には時間を要するため、スピーディーな意思決定を要する事項には不向き
  • 専門的な案件の場合は、承認者や決裁者に説明する手間がかかる
  • 議論はできないため、議論を要する案件には不向き

上記のとおり、稟議書は万能ではありません。状況に応じた使い分けが有効です。

稟議書の作成から承認されるまでのプロセス

稟議書の作成から承認されるまでのプロセス

稟議書は、大きく3つのプロセスを経て承認(決裁)されます。それぞれのプロセスで何が行われるのか、また何をすればよいか確認していきましょう。

稟議書の作成

まずは稟議書を作成する方(起案者)により、書類を作成します。稟議書には実現したい内容だけでなく、上位者の承認や決裁を得るために必要な情報も記さなければなりません。このため十分な情報収集と検討を行ったうえで、できるだけ簡潔・明快に記す必要があります。

稟議書の作成方法については、「 稟議書は準備が重要!作成前に行うべき4つの項目を紹介 」および「 承認・決裁される稟議書の書き方は?4つのポイントを紹介 」で詳しく解説します。

上司による承認

作成した稟議書は、直属の上司に提出しましょう。上司は内容を確認し、以下のとおり対応します。

  1. 内容に問題が無く、自ら決定できる場合は、自分で決裁する
  2. 内容に問題が無いものの、自らに決裁の権限が無い場合は、上司に書類をまわす
  3. 内容に問題がある、疑義がある場合は、起案者に確認を取る。却下する場合もある

大企業では課長から部長など、途中で複数の承認者がいる場合も多いです。この場合は各承認者のチェックが入るため、決裁までの時間がかかりがちです。

決定権を持つ方による決裁

稟議書が決定権を持つ方に回り、承認を得られることを「決裁」と呼びます。決裁をもって稟議書は法人の承認を得たことになり、契約の締結や物品の購入など記載された内容を実行できます。

近年では、法人の代表者から部門長や管理職への権限移譲が進んでいます。このため、社長だけが決裁者とは限りません。書類によっては、課長や部長が決裁者となる場合もあります。

差し戻しや却下された場合の対応

稟議書は、提出すれば必ず承認される書類ではありません。内容や提出した状況によっては差し戻される、あるいは却下される場合もあります。この場合の対応は、以下のとおりさまざまです。

  1. 内容を修正して再提出する
  2. 提出する時期を待ち、適切なタイミングで再提出する
  3. 稟議書の提出をあきらめる

例えば内容に不備がある場合は1番、稟議書に書かれた内容を実行する環境が整っていない場合は2番を選ぶケースが多いでしょう。

稟議書に必要な項目とは?

稟議書に必要な項目とは?

稟議書に記すべき項目は、数多くあります。多くの稟議書で記載される項目を、以下に示しました。

  • 起案者や所属部署
  • 提出日
  • 件名(タイトル)
  • 決裁を求める事項の内容と理由、稟議書の目的、期待できる効果
  • 実現したい時期(購入時期や契約時期など)
  • 発注先や委託先の名称(外部の業者が関与する場合)
  • 予算や支払時期
  • 資料(添付の必要がある場合)
  • 承認者や決裁者の記入欄
  • 承認印の押印欄

稟議書に記載すべき項目は、企業により異なります。まずはお勤めの会社でどのようなルールになっているか、確認するとスムーズです。

稟議書は準備が重要!作成前に行うべき4つの項目を紹介

稟議書は準備が重要!作成前に行うべき4つの項目を紹介

稟議書に記載する内容を実現するためには、書く前の準備が重要です。ここでは作成する前に済ませておきたい4つの項目を紹介します。どのような準備が必要か、稟議書を書き始める前にぜひチェックしてください。

稟議書を作成する目的やゴールを決める

稟議書を書く第一歩は、目的やゴールを決めることです。目的や実現したいことがよくわからない稟議書は承認されません。書き始める前に、稟議書で実現したい事項がなにかよく考えて決めましょう。上司から指示された場合は、目的や背景をよく確認し理解することが重要です。

稟議書の例文をチェックしておく

稟議書には、フォーマットがあります。フォーマットに従って記入することで、以下のメリットが得られます。

  • フォーマットをどうするか悩まずに済み、書くべき内容に集中できる
  • 記入すべき項目の抜け・漏れを防げる
  • 承認・決裁されやすい稟議書を作成できる

このため、稟議書の例文を事前にチェックしておくことは有効です。お勤めの会社で稟議書のフォーマットがある場合、過去に決裁された稟議書がある場合は、よい見本となります。これらが無い場合は、Webで公開されている 稟議書の例文 を活用しましょう。

稟議書に記す項目をピックアップする

稟議書に記す項目をピックアップすることも、重要な準備の一つです。承認や決裁につながる情報があれば、事前に収集しておくと稟議書作成時にあわてずに済みます。さまざまな情報のなかから重要なものとそうでないものを仕分けして、決裁につながる情報をまとめておきましょう。

事前に関係者と相談や調整を行い、合意を得ておく

稟議書をスムーズに決裁してもらうためには、承認者や決裁者が懸念を持つ事項を事前に把握し、解決しておくことが重要です。このため、いきなり稟議書を提出することはおすすめできません。事前に上司と相談し、承認者や決裁者が安心感を持てる内容の稟議書に仕上げましょう。ときには専門的な確認や合意を取るなどの目的で、技術者など関係者との打ち合わせを要するケースもあります。

承認・決裁される稟議書の書き方は?4つのポイントを紹介

承認・決裁される稟議書の書き方は?4つのポイントを紹介

承認・決裁される稟議書を書くには、コツがあります。良い情報を集めるなど稟議書を書く準備を万全に行ったとしても、稟議書をしっかり書けないとせっかくの良い案も実現できないかもしれません。これまでの準備を無駄にしないためにも、稟議書を書く重要な4つのポイントを確認していきましょう。

誤字脱字を避ける。提出前には必ず一読を

ビジネス文書において、誤字脱字は極力防ぐべきポイントです。日本語には同音異義語があるため、漢字を誤ると別の意味に捉えられてしまうかもしれません。また一見して誤字脱字とわかる箇所があると、文書の信頼度が下がります。

稟議書の信頼性を高めるためにも、提出前には必ず一読し表現が正しいかチェックしましょう。自信が無い用語は、辞書でチェックすることをおすすめします。

簡潔でわかりやすい記載を心がける

簡潔・明快でわかりやすい記載は、稟議書に求められる重要な要件の一つです。承認者や決裁者は忙しい場合も多いですから、ひとめでわかり誰が見ても同じように理解できる表現を心がけましょう。専門用語はわかりやすい説明を入れてください。また結論から書くと、忙しい方でも読みやすくなります。

稟議書の本文には承認を求める事項を端的に記し、詳細は別紙として添付する方法をおすすめします。またグラフや表、箇条書きなどの活用は、見やすくなるため有効です。

承認者・決裁者を納得させる内容を盛り込む

承認者や決裁者が納得しやすい内容が盛り込まれていると、稟議書は通りやすくなります。明らかに自社にとってメリットのある稟議書を通さない理由は無いためです。懸念される項目への回答が含まれていると、さらに評価が上がります。

明確なメリットがあるなら、積極的に記入しましょう。数字で説明できる情報を入れると、説得力が高まります。例えば「年間のコスト削減が1,000万円」「仕入れ先の変更により、5年間で1,000万円の材料費を削減」などが挙げられます。

必要な資料は過不足なく添付する

適切な資料の添付は稟議書の説得力を高め、決裁しやすくなるメリットがあります。承認や決裁を後押しする情報は、ぜひ添付してください。

但し、資料であれば何でも添付すればよいわけではありません。添付資料が多過ぎると、承認者や決裁者はどの資料を見れば良いかわからなくなります。この結果、稟議書が差し戻されるかもしれません。稟議書に添付する資料はよく吟味して、必要なもののみ添付しましょう。

実務に活かせる稟議書の例文やテンプレート・5種類を紹介

実務に活かせる稟議書の例文やテンプレート・5種類を紹介

ここまで、稟議書の重要性や書き方について解説しました。しかし実際にどのような内容を書けばよいか、お悩みの方も多いのではないでしょうか?

ここからは5つの例を取り上げ、実務に活かせる稟議書の例文を紹介します。稟議書を作る際の参考としてお役立てください。なお提出日や所属部署、氏名、押印欄等は省略しています。これらは貴社のルールに従って記載してください。電子稟議システムやワークフローなど、パソコンを使って稟議書を提出する場合、これらの事項は自動で入力される場合も多いでしょう。

モバイルWi-Fiを購入・契約する稟議書

まずはモバイルWi-Fiを購入・契約する稟議書の例文を紹介します。

モバイルWi-Fiの購入について

下記のとおり、モバイルWi-Fiを購入したくお伺いいたします。



購入機器:Rakuten WiFi Pocket 2C
台数:10台
端末購入予算(税込):79,800円
プランと月額料金(税込):データ30GBプラン。26,180円(年額314,160円)
購入時期:2024年3月

申請の理由:
営業部では外出時にスマートフォンとノートパソコンを持ち出しているが、通信はスマートフォンのテザリング機能を活用している。このためバッテリーの消耗が大きく、ほとんどの営業部員は半日程度の外出でもスマートフォンの電池がなくなる経験をしており、業務に支障が生じている。この事態を防ぐためにフリーWi-Fiにつなぐ事案も起きており、セキュリティ上のリスクが懸念される。

営業部は至急の連絡を要する場合でもスマートフォンをスムーズに使えることと、ノートパソコンでの通信を安全に行うことを求めている。この要件を満たすためには、テザリング機能の代わりとなるモバイルWi-Fiルーターの導入が適切と考える。また終日の外出や出張、在宅勤務、Web会議でもスムーズに使うため、通信量の大きいサービスが求められる。

楽天モバイル「Rakuten最強プラン ビジネス」は安価なキャリア回線である。安定したサービスの提供が見込めるため選定した。新年度にあたり組織再編のタイミングにあわせて業務効率化を実現したく、2024年3月に楽天モバイル回線のWi-Fiルーターの購入を済ませ、4月から利用開始したい。

発注先:楽天モバイル株式会社
資料:楽天モバイル株式会社からの見積書

モバイルWi-Fiのように購入後もランニングコストが発生する場合は、月々どのくらいかかるか明記する必要があることに注意してください。

システム開発プロジェクトの稟議書

IT化が進んだ現代、多くの法人がシステムを導入しています。ここではIT企業がシステム開発プロジェクトを進めるために必要な稟議書を確認していきましょう。

システム開発プロジェクトの稟議書について

下記のとおり、システム開発プロジェクトの稟議書を提出いたします。ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。



顧客名:○○○○株式会社
業種:建設業
開発対象のシステム:公式サイト作成
金額:200万円(検収後、翌月末に一括で入金予定)
予定工数:2.5人月(2024年4月~5月を予定)

プロジェクトの実施理由:
○○○○株式会社は公式サイトを保有していない。当社の問い合わせページから、公式サイトを作りたい旨の依頼があり、受注可能な金額で提示してきたため承認いただきたく稟議書を提出した。
当社は企業概要や企業情報、Q&A、問い合わせフォームを備えた公式サイトを構築し提供する。

本プロジェクトは、要員の追加や外注への依頼を行わずに対応可能である。
またプロジェクト収支も問題ないと思われるが、経費節減により黒字額のさらなる増加を目指したい。

なお、○○○○株式会社の与信を調査し、問題ないことを確認している。

資料:見積書、○○○○株式会社からの発注書
開発する公式サイトの仕様書
○○○○株式会社のパンフレット(会社概要)
○○○○株式会社の与信情報

どのような会社に対して何を行うか、概要レベルで把握できる文書を作ることが重要です。詳細は稟議書に書く代わりに、添付資料で説明するとよいでしょう。

新規の顧客と取引を始めるための稟議書

新規顧客と取引を始める際にも、稟議書はよく使われます。ここでは新しい顧客の清掃業務を受注するケースを例に解説します。

新規顧客との取引開始に関するお伺い

下記のとおり新たな顧客との取引を開始したく、稟議書を提出いたします。ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。



顧客名:○○○○株式会社
業種:不動産業
取引の対象業務:□□□□ビルの清掃業務(共用部のみ)
清掃頻度:平日は毎日、日中時間帯に実施
金額:毎月100,000円
顧客の支払条件:月末締め、翌月末までに銀行振込で支払い
取引開始時期:2024年4月を予定

取引開始を求める理由:
株式会社○○○○からオフィス清掃の申込みがあった。要員にも余裕があること、また作業内容に応じた料金を頂けるため、受注したい。契約により待機要員の減少と、売上アップを両立できる。また清掃業務は、現在の要員のスキルで問題なく対応可能と考える。

株式会社○○○○は新規の取引先であるため、与信状況を調査したところ問題は無かった。料金についても、遅滞なく支払われるものと考える。

資料:株式会社○○○○による清掃業務の依頼内容
株式会社○○○○の企業情報
株式会社○○○○の与信情報

新規取引先においては料金をきちんと支払ってもらえるかなど、不安に感じる項目がいくつかあります。稟議書には不安を解消する項目を盛り込むことも重要です。

事業拡大のため、資金を調達する稟議書

事業の運営においては手元資金だけでは足りず、外部から資金を調達しなければならない場面も少なくありません。このような稟議書はどう書けばよいか、例を見ながら確認していきましょう。

事業拡大における資金調達のお伺い

下記のとおり資金調達を行いたく、稟議書を提出します。ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。



借入先:△△△△銀行 ○○○○支店
借入金額:500万円
借入条件:金利は年6.0%、返済期間5年、本社近隣のグラウンドを担保に差し入れる
借入の目的:事業拡大による材料費・人件費の増加に対応するため
借入時期:2024年4月上旬を予定

資金調達の理由:
製造部ではこれまで「●●●●」の製造を1交代で行ってきたが、これを2交代で製造し、需要の増加にこたえたい。この実現には材料の仕入れと人員を増やす必要があるため、一時的に500万円の負担増が発生する。増加分は借入でまかない、運転資金を確保したい。

なお借入期間は5年としているが、「●●●●」の販売は順調である。2交代制の実現により、年間で500万円の増益を見込んでいる。借入額相当の利益が出たことを確認した段階で、速やかに返済したい。

資料:△△△△銀行による融資の資料
増加する原材料と人件費の内訳書
返済計画書

借入を行う場合、借りた額以上の収益を確保できるかという点は重要なポイントです。「借りたほうが儲かる」という説明ができれば、説得力の高い稟議書となるでしょう。

人材を採用する稟議書

法人の事業活動において、人材の採用は重要なポイントです。これまで解説した内容と異なるポイントがあることに注意が必要です。これから採用活動を始める際に提出する稟議書を例に、必要事項を確認していきましょう。

新規採用に関する稟議書

下記のとおり従業員の採用活動を始めたく、稟議書を提出します。ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。



採用人数:20名(正社員)
配属先:○○工場
採用が必要な理由:製品○○の販売が好調であり、需要にこたえるため2交替制を取ることになった。現在の従業員数では不足する人数を、新規採用で補いたい。

採用により得られる効果:
・チャンスロスを防ぎ、顧客のニーズにこたえられる
・売上アップにより、利益アップと業績の向上に寄与できる(売上・利益とも50%アップ)
・市場でのシェアを向上できる(シェア10%アップを見込む)
・より多くの人材を雇用することで、企業の社会的責任を果たせる
採用活動にかかる予算:600万円(内訳は別途資料を添付する。採用される者の人件費は含まない)

資料:採用活動の予算の詳細
採用(増員)後の収益一覧表
製品○○に関するシェアのグラフ

採用活動は、多額のコストがかかります。費用を投下してもベネフィットが得られるという点を、しっかり記述することが重要です。

楽天モバイルでは稟議書を提供中!ぜひご活用を

楽天モバイルでは見積り作成や資料請求をされた法人様に対して、稟議書を提供しています。自動返信メールのなかに、稟議書のサンプルをダウンロードできる項目を設けております。そのほかにも、稟議書キット請求フォームより企業情報をご入力いただくと、稟議書サンプルをメールにてお送りすることも可能です。まずは こちら からお問い合わせのうえ、貴社の業務に役立つ稟議書を入手してください。

稟議書の趣旨とコツを押さえて、決裁される稟議書を起案しよう

稟議書の趣旨とコツを押さえて、決裁される稟議書を起案しよう

稟議書は、会社や組織をより良くするために提出される書類です。自社を良くするためにはどのような案を提出したら良いか?という観点で考えると、決裁される稟議書に近づきます。この点で業務の流れや現状の業績、組織を理解することは重要です。そのうえで日々の業務で感じた疑問をそのままにせず、改善し続ける意識を持ちましょう。

稟議書の趣旨とコツ、業務の流れを理解できれば、良い稟議書を起案できるでしょう。文章例も参考にして、決裁される稟議書を作成してください。