スマホのバッテリーの寿命はどれくらい?

スマホのバッテリーの寿命はどれくらい?

スマホにはリチウムイオンバッテリーが使われており、バッテリーの寿命は一般的に1年半~2年だといわれています。バッテリーの充電が最大容量の50%程度しかできなくなる状態を多くのメーカーは寿命の目安としています。充電サイクルでいうと約500回が寿命の目安です。

充電サイクルのカウントの仕方を解説

ここで気になるのは「充電サイクル」という言葉ではないでしょうか。充電サイクルのカウントの仕方は少し複雑です。単純に充電器につないだ回数ではなく、バッテリーを充電した量の合計が100%になった回数を指します。言葉だけではピンとこないので、「1回の充電サイクル」の具体例を2つ挙げました。

【具体例①】
バッテリーの充電を0%まで使い切った後に100%まで充電した。

充電した量は100%-0%で100%になるので、この1回の充電が充電サイクル1回となります。

【具体例②】
バッテリーの充電が20%になったので80%になるまで充電した。
その後、バッテリーの充電が50%になるまで使用し90%まで充電した。

1回目の充電量は20%を80%にしたので60%。2回目は50%から90%になったので40%です。1回目、2回目で充電した量の合計は60%+ 40%で100%なので、この2回の充電が充電サイクル1回になります。

スマホのバッテリー寿命を長持ちさせる5つのコツ

スマホのバッテリー寿命を長持ちさせる5つのコツ

「スマホを充電するタイミングは電池の残量が何パーセントになった時」というアンケートによるとスマホを充電するタイミングで一番多かったのは「バッテリー残量が20%以下になったら」でした。このアンケートは2022年8月に「ahamo」が日本全国の10代以上の方を対象に行ったものです。

これらを踏まえて、

  1. バッテリー残量20%になると100%まで充電する
  2. 毎日充電をすると仮定する
  3. バッテリーの寿命は500回の充電サイクル

という条件で、バッテリーの寿命年数を計算してみました。

まず、①と②から1日の充電サイクルは0.8回になります。1日に0.8回の充電サイクルで500回の充電サイクルに到達するまでの日数は単純計算すると500回÷0.8回/日で625日です。バッテリーの寿命は約1年8ヶ月あまりという結果が導き出されました。

令和5年3月の内閣府消費動向調査では、スマホの平均使用年数は4.4年という結果が出ています。スマホを4年以上使うのであれば、バッテリーもなるべく長く使えるといいですよね。そこで、バッテリーを長持ちさせるためにしてはいけない5つの使い方をまとめました。

充電しながらアプリを使用しない

「充電中はなるべくアプリの利用は避けたほうがいい」とよく耳にします。このようにいわれるのには2つの理由が考えられます。1つ目はリチウムイオンバッテリーが熱に弱いという特性のため、2つ目は充電サイクルが加速するためです。

リチウムイオンバッテリーが熱に弱いという特性のため
まずは、「リチウムイオンバッテリーが熱に弱いという特性」についてみていきましょう。平成21年度の環境対応車普及方策検討会の報告によると、リチウムイオンバッテリー本体の温度が25℃と45℃の場合で比較すると劣化が進みやすいのはバッテリー本体の温度が45℃の場合という結果がでています。45℃といえば少し熱めのお風呂ぐらいの温度ですが、長時間続くとバッテリーの劣化につながります。

充電時以外でもアプリを使用しているとスマホ本体が熱くなることがあります。特に動画を再生しているときや大容量のゲームをしているときにかなり温度が上がった経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。これはアプリの使用によりCPUに少なからず負荷がかかるからです。充電中ならバッテリー自体の温度も上がるのでより高温になりやすくなります。

充電サイクルの加速のため
次に「充電サイクルの加速」についてみていきます。充電したままでアプリを使うと「充電が少し減る」→「充電する」という状態を繰り返すことになります。前述の通りバッテリーの寿命は充電サイクルと切っても切り離せません。細切れで少量の充電を長時間繰り返すことで、充電サイクルのカウントが通常よりも進んでしまうおそれがあります。

これらのことからもバッテリーの寿命を長持ちさせるには「ながら充電」はなるべく避けたほうがいいでしょう。充電が少なくなったら一旦スマホを休憩するほうが、バッテリーにも目にも優しい使い方だといえそうです。

フル充電しない

100%まで充電せず80%程度にとどめておく方が、バッテリーの寿命は長持ちします。実はフル充電の状態は、2つある電極のうちプラス電極に負荷がかかっている状態です。また、リチウムイオン電池は他の電池に比べて自己放電が少ないという特徴があります。そのため、フル充電をしてしまうとプラス電極にかかる負荷が長く続いてしまいます。負荷を軽くするためにも80%程度の充電がいいといわれています。

バッテリー残量を0にしない

バッテリー残量を0にすると前述のフル充電の逆の状態、マイナス電極に負荷がかかる状態が続きます。また、エネルギーを蓄える部分が変質してしまい、十分に充電ができなくなるおそれもあります。バッテリー残量を0にしてから充電しないといけない電池はニッケル水素充電池です。リチウムイオンバッテリーは20%を目処に充電する方が劣化を抑えられます。

長期間使わないスマホを保存しておくときも適度に充電をしておくことをおすすめします。

充電器をつなぎっぱなしにしない

充電器をつなぎっぱなしにすると、過充電の心配があります。「フル充電しない」の理由同様、プラス極に過度な負担が長時間かかります。また、ながら充電時のように短いスパンでの充電が長時間繰り返されることで充電サイクルのカウントがかさんでしまう可能性もあります。

純正品以外の充電器で充電しない

ネットなどで安価な充電器が販売されていることがありますが、充電は純正品の充電器を使うことをおすすめします。バッテリーの規格に適合していないことも考えられます。そういったものを使用するとバッテリーの寿命を縮めてしまいます。純正品ならば規格の確認も不要で、安心して使用できます。

スマホのバッテリーの寿命が近づいている4つのサイン

スマホのバッテリーの寿命が近づいている4つのサイン

これから紹介する4つのサインに心当たりがあれば、スマホのバッテリーの寿命が近い可能性があります。

スマホが熱くなる

スマホが熱くなる要因はさまざまですが、その一つにバッテリーの劣化が挙げられます。使用中や充電時にスマホ本体の温度が異常に高くなる場合は、バッテリーの劣化がないかも点検してみましょう。

バッテリーが膨張する

劣化が進むとバッテリーが膨らむことがあります。バッテリーは電気を生み出すために化学反応を利用しています。経年劣化として化学反応による内部の酸化が進むと酸化ガスが発生、膨張の原因となるのです。この酸化ガスは過充電や過放電によっても発生しやすくなります。

充電の減りがはやくなる

いつもと同じように使っているのに、充電の減りがはやくなってきたと感じたことはありませんか。これはバッテリーの劣化のサインの可能性があります。バッテリーが劣化してくると、充電できる量の上限が低くなっていきます。充電がすぐに切れてしまうようなら、バッテリー交換や本体の買い替えを考えはじめましょう。

電源が勝手に切れる・再起動される・動作が遅くなる

バッテリーが劣化すると、スマホの処理能力に影響が出ることがあります。処理能力に影響が出ると使用中に勝手に電源が切れたり、再起動されたりというような症状が頻繁に起こります。このような場合は、バッテリーだけでなくスマホ本体の劣化の可能性も十分考えられるので、バッテリー交換だけでなく本体の買い替えも視野に入れるといいでしょう。

スマホのバッテリー寿命が近いときにしておきたいこと

スマホのバッテリー寿命が近いときにしておきたいこと

スマホのバッテリーの寿命が近いと疑われるときは、大切なデータのバックアップを取っておきましょう。バッテリーの交換作業の際に、データを消失するおそれがあります。また、バッテリー交換だけでなく本体の修理や交換などが発生することも考えられます。そういった不測の事態に備えてしっかりとバックアップを取っておくことが大切です。

スマホのバッテリーの寿命が近いと疑われるときは、大切なデータのバックアップを取っておきましょう。バッテリーの交換作業の際に、データを消失するおそれがあります。また、バッテリー交換だけでなく本体の修理や交換などが発生することも考えられます。そういった不測の事態に備えてしっかりとバックアップを取っておくことが大切です。

スマホのバッテリーの交換方法

スマホのバッテリーの交換方法

バッテリー交換はキャリアショップやメーカーで受け付けています。バッテリーが取り外し可能なものか内蔵型かによって対応が異なります。取り外しが可能なバッテリーについては型番を確認し、キャリアショップやキャリアのオンラインショップで購入するという対応が多いです。

内蔵型の場合はキャリアショップを通してもしくは直接メーカーに修理依頼をします。本体を預け、バッテリー以外の不具合についても調べ、修理が必要な部分はすべて修理したうえで返却されます。料金は保証に加入しているかどうかやキャリアやメーカーによって変わってくるので、必ず確認をしましょう。

即日でバッテリー交換をしたい場合は、修理専門店を利用することになります。修理専門店でバッテリー交換をした場合、メーカーやキャリアのサポート、下取りなどが利用できなくなる可能性があるのでご注意ください。もう一つ気をつけたいことは修理専門店の選び方です。修理専門店を安心して利用するために、必ず総務省の登録修理業者制度に登録している業者を選びましょう。

まとめ

スマホのバッテリーを長持ちさせたい!寿命を延ばすためのコツや交換のサインも紹介します!
  • バッテリーの寿命は1年半~2年
  • 充電サイクルでいうと約500回が寿命の目安
  • バッテリーの寿命のために「ながら充電」「フル充電」「完全放電」「過充電」「純正品以外の充電器の使用」は避ける。
  • 「本体が熱くなる」「バッテリーの膨張」「充電がすぐなくなる」「動作の不具合」があればバッテリーの交換時期

バッテリーは消耗品です。2年を超えるとどうしても劣化は避けられません。しかし、少し気をつけて使うだけで、スマホのバッテリーの寿命を延ばせます。少しでも長く使えるように今回の記事が役に立つと幸いです。