5Gの商用化は国内では2020年3月に幕を開けました。主要なキャリア各社が相次いで5Gのサービスをスタートさせ、NTTドコモは3/25に、auは3/26、ソフトバンクは3/27に開始し、楽天モバイルは少し遅れて6月に5Gサービスを開始しました。
4Gと5Gの大きな違いについて、①通信速度・容量 ②遅延の影響 ③同時に接続できる端末の3点から比較します。
5Gの通信速度 | 下り最大20Gbps 上り最大10Gbps |
4Gの通信速度 | 下り最大1Gbps 上り最大100Mbps |
下りは例えばアプリをダウンロードするとき、上りは写真などをクラウドにアップするときの速度です。
5Gは4Gと比較して圧倒的な速度向上を達成しています。5Gの下り通信速度は4Gの20倍、上り通信速度も4Gの100倍となっています。
なぜこれほど速度に差があるのか?それは5Gは高い周波数帯、帯域幅が広いという特徴があるからです。高い周波数帯を利用することで、データをより多く、高速に伝送することが可能となり、帯域幅が広いと一度に多くの情報を送受信することができます。よく言われる例として、5Gは2時間の映画も数秒でダウンロードできます。
それだけでなく、動画のストリーミング、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などの大容量データを扱うコンテンツもストレスなく楽しむことができます。4Gがすでに高速な通信を実現していたにもかかわらず、5Gはそれをさらに進化させ、より高速な通信が可能となりました。
通信遅延でも5Gは4Gと比較して圧倒的に短いのが特徴です。通信遅延とはデータが送信されてから受信されるまでの時間。遅延時間が短いほど、リアルタイムのコミュニケーションが図れます。
5Gの通信遅延 | 1000分の1秒以下 |
4Gの通信遅延 | 100分の1秒 |
5G遅延時間の短縮は4Gの10分の1です。これは何を意味するかと言うと、遠く離れた場所でもタイムラグがないため、遠距離から医師がロボットを使い、患者を手術する遠隔医療や、自動運転車がセンサーやカメラを通じて、取得した情報をクラウドに送信し、高速で分析・判断した結果を再び車にフィードバックする自動運転システムなどに重要な役割を果たします。
通信速度の向上だけでなく、遅延の大幅な短縮も、5Gが次世代の通信基盤として注目される理由の一つであります。
移動通信システムの進化は、通信速度や遅延だけではなく、同時接続可能な端末数の増加にも寄与しています。この点で、4Gと5Gの間には顕著な違いがあります。
5G | 1k㎡あたり約100万台の端末が同時に接続可能 |
4G | 1k㎡あたり約10万台の端末が同時に接続可能 |
5Gは4Gと比較して10倍になります。この同時接続性がIoTの大規模な展開を促進する要因となっています。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)はさまざまなデバイスがインターネットに接続される技術のことを指します。
スマホから冷蔵庫の温度調節やストックの管理をするCMをご覧になった方も多いと思いますが、それもIoTのひとつです。他にも「モノ」は多数あり、例えばカメラ、センサー、ロボットなどです。これらと同時多数接続することで、道路上の信号機や標識、線路や橋のモニタリング、工場内の生産現場の監視などの精度が向上します。 1つのエリアに多数存在するデバイスすべてを同時に接続し、リアルタイムでの操作や監視を行うには5Gの同時接続能力が不可欠です。
5Gの特徴は4Gと比較して、通信速度が20倍になり、遅延時間が10分の1に縮まり、同時に接続できる端末が10倍になることがわかりました。このように、5Gはスマートフォンの通信速度を早くするだけでなく、IoTなどの爆発的な普及により、私たちの生活は大きな変化を迎えます。では、近い未来私たちの暮らしはどう変化してくのでしょう?
既に実現化されている例も含め、いくつか紹介してみます。
スマートオフィスとは、最先端のテクノロジーを活用して、効率的かつ快適なオフィス環境を実現するコンセプトです。5Gの高速な通信と広い帯域を活用し、従来の無線LANの限界を超え、より高速で安定したインターネット接続がオフィス全域で可能になります。
AIカメラやIDカード、スマートフォンといったデバイスを活用することで、入退室管理や勤怠管理、オフィス内のセキュリティも大きく向上します。5Gの高い情報処理能力を活用することで、外出先や自宅勤務からでも、オフィス内のデータに高速でアクセスすることが可能になります。オンライン会議も5Gの低遅延性を生かすことで、リアルタイム性でのコミュニケーションが可能になります。
5Gとスマートオフィスの技術的進化は、従来のオフィスの枠を超えて、柔軟で効率的な働き方を実現します。
5Gの同時接続の能力により、家中のさまざまな家電やデバイスがインターネットに同時に接続されることが可能となります。これにより一層生活の質が高まります。外からでも5G回線から、家の状態をリアルタイムで確認できるため、見守りや健康管理の面でも大きな利点があります。例えば、高齢者の住む家を遠隔地から見守ることや、健康状態をリアルタイムでモニタリングすることが可能になります。
またスマートホーム内のホームルーターを介して、エネルギーの使用状況や消費状況を的確に管理するエネルギー管理も行えます。
5Gのセキュリティ機能もまた、スマートホームのセキュリティを強化します。家の中のデバイス間の通信を安全に保ち、外部からの不正アクセスやデータ漏洩のリスクを大きく低減させます。
5G回線で高精細な画像伝送が可能となることで、医師は遠隔地からでも患者の症状や検査結果を、細部まで鮮明に確認することができます。これにより、タイムラグなく、正確な診断を下すことができるようになります。
遠隔操作のロボットを用いたオンライン手術も現実のものとなります。5Gの低遅延通信技術により、医師は直接手術室にいるかのような感覚で、ロボットを操作し、精密な手術を遠隔地から行うことが可能となります。
5Gは高度な専門知識を持つ医師が都市部に集中する現状を改善し、地域間格差の解消に貢献します。
楽天モバイルでは5Gの実験的な取り組み、普及を目的としたイベントやエンターテイメントなど様々な活動を行っています。ここではその一部をご紹介します。
「2022 Inter Proto Series POWERED BY KeePer 第2大会」において、楽天モバイルが提供する4Gおよび5G(ミリ波)を活用し、リアルとバーチャルを融合したモータースポーツの実証実験に成功しました。
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楽天モバイルと楽天ヴィッセル神戸は、ボリュメトリックビデオ技術(立体映像生成技術)と楽天モバイルの5Gを活用し、離れた場所にいる選手とファンがリアルタイムでコミュニケーションを図る実証実験を行いました。
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「有明アリーナ」にて開催された「UPRISING TOKYO Supported by Rakuten」において、5GとVRを活用した視聴体験の出来るブースを設置しました。
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ヴィッセル神戸と神戸市とともに「ノエビアスタジアム神戸」(以下「ノエスタ」)において、5Gを活用して神戸市内を飛行するドローンの遠隔操縦を行う「ドローン遠隔旅行」の実証実験を行いました。
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楽天モバイルと楽天野球団は、「楽天モバイルパーク宮城」(以下「スタジアム」)にてStand Alone方式の5Gモバイルネットワークを活用した実証実験を実施しました。
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総務省は「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」を積極的に推し進め、2023年現在の5Gのエリア人口カバー率を95%と設定していましたが、2022年の段階で96.6%を達成しました。
2030年度末には99%を目指していますが、これも前倒しで達成されるかもしれません。このように急速に広がっているエリアですが、楽天モバイルのサイトでも5Gの通信エリアを確認することができます。
楽天モバイル法人プランではニーズに合わせたプランをご用意しております。もちろん5Gプラン、5Gに対応したスマートフォンもございます。
プラン料金をご覧になりたい方はこちらをご参照ください。
製品をご覧になりたい方はこちらをご参照ください。
5Gはこれまで予測もつかなかったような大きな変革を私たちに与えてくれます。VR・AR体験などはもちろん、IoT化の加速によって、生活面だけでなく、ビジネス面でも飛躍的に利便性が向上すると予測されています。中にはデメリットもありますが、適切に使用することで私たちの生活を豊かにしてくれますので、今一度5Gについて生活に取り入れていきましょう!