SMSとSNSはそれぞれ略語であり、正式名称からその違いが見えてきます。
どちらもコミュニケーションをとるためのサービスという点では同じですが、厳密に言うと異なる内容を指していることが分かります。次の章からそれぞれの特徴を解説しますので、詳しく見ていきましょう。
SMSは携帯電話番号を宛先として、テキストメッセージを送受信するためのサービスです。
似たようなメッセージサービスのEメールではメールアドレスを宛先としますが、メールアドレスは自由に変更することが可能であり、多くのアドレスを複製することも可能です。
一方、SMSでは携帯電話番号を使うことから、メールアドレスのように変更したり複製したりすることが難しい点が特徴です。そのため、本人確認や重要事項の通知などの手段として利用されています。
また、メールでは画像や動画なども送受信できますが、SMSでは基本的にテキストしかやり取りできず、送信できる文字数にも制限があります。しかし、携帯電話の基本機能として搭載されているため、アプリのダウンロードや会員登録の必要なく、スマートフォンやフィーチャーフォン、Android/iOSの垣根を超えてテキストメッセージのやり取りができます。さらに、海外でも利用可能です。いくつかの制限はあるものの、携帯キャリアや国の垣根なく、誰とでもコミュニケーションが可能である点が特徴といえます。
SMSについてさらに詳しく知りたい方は「SMS(ショートメッセージサービス)とは?メールとの違い・メリットや送信方法、企業の活用例を紹介」の記事をご覧ください。
SNSはインターネット回線を通じて、チャットや通話などのコミュニケーションをとったり、情報や写真・動画などをシェアしたりできるプラットフォームサービスです。代表的なSNSとしては、次のようなサービスが挙げられます。
このうち、LINEはメッセージのやり取りがメインであり、一見SMSと同じ用途のように思えます。しかし、オープンチャットを用いての自由なコミュニティ形成や、企業・店舗の公式アカウントによる情報のシェアが可能であり、SNSとしての機能も充実しています。
SMSとSNSの大きな違いとして、SMSが携帯電話番号を知っている相手としかメッセージの送受信ができないのに対し、SNSは世界中の不特定多数の人たちとコミュニケーションがとれることが挙げられます。しかし、SNSを通じてメッセージなどのやり取りを行うためには、同じサービスを利用している必要がある点には注意が必要です。
例えば、LINEを利用しているユーザー同士、Twitterを利用しているユーザー同士はコミュニケーションが取れますが、LINEとTwitterで相互にコミュニケーションをとることはできません。また、同じサービスを利用しているユーザーにメッセージを送信する場合も、相手のIDなどを把握しておく必要があります。
また、SNSでは用途に応じて一人で複数のアカウントを所持している場合も多く、原則一つの携帯電話番号しか利用しないSMSとは大きな違いがあります。
ここまでSMSとSNSの特徴を解説しましたが、それぞれの機能についてもう少し違いを見ていきましょう。SNSの機能はサービスごとに異なりますが、SMSに利用用途が近いLINEと比較します。
機能面で大きく異なる点は1通あたりの送信可能な文字数です。SMSでは長文を送ることができませんが、LINEはほとんど制限がないといえるでしょう。もちろん、SNSのサービスによって異なりますが、TwitterのDM(ダイレクトメール)も上限1万文字、Instagramは1,000文字と、SMSほど制限がない場合がほとんどです。
そのほかには、SMSではメッセージを送信するたびに文字数に応じて料金がかかります。一方で、SNSはインターネットを介してデータをやり取りするための通信量がかかりますが、LINEをはじめ、多くのサービスは基本利用料無料で利用できます。
SMSの文字数について詳しく知りたい方は「SMSには文字数制限がある?キャリア別・法人向けサービスの場合も解説」、料金について詳しく知りたい方は「SMSの利用料金を個人・法人別に解説!SMS配信サービスの料金体系は?」の記事もあわせてご覧ください。
SMSとSNSはそれぞれの特性やできることを理解した上で、使い分けることが重要です。また、その使い分け方も法人・個人によって変わります。ここでは、法人向け・個人向けにSMSとSNSの使い分け方を解説します。
法人にとって、SMSとSNSはどちらも顧客とのコミュニケーションを図るためのツールとして優秀です。セキュリティ・マーケティング・ブランディングなど、目的によって適性が分かれるため、両者の特徴をよく理解して使い分けるようにしましょう。
などへの利用が適しています。
SMSは「変更・複製されにくい携帯電話番号を利用して送受信を行う」「受信する端末が基本的に携帯電話(スマートフォン・フィーチャーフォン)であるため、常に携帯されている」という特徴から、到達率・開封率99%*といわれています。そのため、SMSは、確実に相手に届けたい情報の送信に適しています。登録・退会・アカウント名変更が頻繁におき、ログイン端末も様々であるSNSとは対照的です。
また、本人確認(二段階認証)への利用も適しています。従来の本人確認では、IDとパスワードを利用することが一般的でしたが、ユーザーの携帯電話番号宛にSMSでコードを送信・入力してもらうことで、よりセキュリティの高い本人確認が実現可能です。
SMSを上記のような使い方をする場合には、顧客に向けての一斉送信や、自社システム・サービスと連携しての自動送信ができるようにしておく必要があります。そのため、一斉送信機能があり、API連携ができるSMS送信サービスを利用しましょう。
API連携について詳しく知りたい方は、「API連携とは?仕組み、メリットから活用事例、実装手順まで徹底解説!」の記事もあわせてご覧ください。
などへの利用が適しています。
SNSは不特定多数の人が利用しており、相互にコミュニケーションを取りやすい環境であることが特徴です。そのため、企業の認知度向上、ブランディング・ファン育成などに適しています。
アカウントさえ取得すれば法人であっても無料で利用できるプラットフォームが多いため、情報発信やブランディングだけが目的なら、大きなコストをかけずに行うことができます。
また、有料にはなりますが、広告で幅広くキャンペーンを実施することも可能です。SNSの種類ごとにターゲット層が大きく異なるため、それぞれの特性を理解したうえで、自社商品やサービスを訴求したい層にあったSNSを選択することが重要です。
個人でSMSやSNSを利用する際には、法人とは異なる使い方をすることが多いでしょう。それぞれの使い分け方について、一つずつ見ていきましょう。
電話番号だけを知っている人に連絡したいときや、特定のアプリを利用せずに連絡したいときなどにはSMSの利用が適しています。SMSは標準機能として携帯電話端末に搭載されているため、スマートフォン/フィーチャーフォン、Android/iOSなどの違いを気にすることなくメッセージのやり取りが可能です。特に、到達率・開封率の高さから、今すぐ伝えたい緊急性の高い連絡をしたい際に最適といえます。
また、基本的にお互いの携帯電話端末以外でSMSを見ることはできないため、第三者に見られたくないやりとりをしたい場合にも適しているでしょう。
個人でSNSを利用する際には、同じ趣味を持つ人とつながりたいときや、リアルでは会いにくい年代や居住地が異なる人と交流するときなどに利用できます。検索機能を用いれば、面識がない相手やIDを知らない相手ともメッセージのやり取りが可能です。
しかし、第三者に見られたくない情報を送信する際には注意が必要です。IDとパスワードさえあれば他者もログインすることができるため、個人間のダイレクトメール機能を使っていたとしても、メッセージが漏洩する可能性はゼロではありません。また、タイムライン上でのやりとりの場合、基本的には世界中の人々に見られる可能性があります。
メッセージのやりとり以外の使い方としては、商品や店の評判・口コミを調査するためのツールとしても利用できます。SNSは基本的に匿名性が高く、自由に発信できることから、正直な感想や口コミをチェックすることが可能です。キーワード検索やハッシュタグ検索の機能を使って、自分が知りたい情報を調べるとよいでしょう。
SMSとSNSは似ている機能もありますが、特徴や適した利用法は大きく異なります。どちらもコミュニケーションを取るためのサービスですが、それぞれの特性を理解した上で使い分けることが重要です。ぜひこの記事を参考に、うまく使い分けてみてください。
最後に、顧客と企業のメッセージやりとりを効果的に行いたい方に向けた法人向けサービス「Rakuten CPaaS SMS API」を紹介します。「Rakuten CPaaS SMS API」は、SMSを一括/個別に送信し、企業と顧客のコミュニケーションに利用できる法人向けサービスです。安全性の高い国内キャリアと直接接続の回線で、シンプルで使いやすいダッシュボードとAPIを業界最安級の価格でご提供いたします。顧客へのキャンペーンや通知を積極的に行っていきたいご担当者の皆様は、ぜひご検討ください。