音声通話SIMとデータSIMは何が違うのでしょうか。 その前にそもそもSIMとは何かを簡単に触れておきます。 SIMとは「Subscriber Identity Module」の略で、モバイル通信を利用するデバイス(スマートフォンやタブレットなど)に挿入して使用する小さなカードです。 それぞれ固有の番号を持っており、利用者を識別します。SIMカードについては「eSIMとはなにか?SIMカードとの違いと、メリット・デメリットを解説」のコラムでも解説しています。
音声通話SIMとは、電話番号で通話ができるSIMカードのことで、090/080/070などの電話番号が付与されます。ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルなどの大手キャリアは、この音声通話SIMを採用しています。
また、データSIMの機能も携えており、SMS(ショートメッセージサービス)の受信も可能で、スマホの機能をフル活用できるカードといえます。
電話番号をそのままに、キャリアから格安SIMへ乗り換えたいMNP(Mobile Number Portability)の場合は、音声通話SIMを選ぶことになります。
データSIMとは、データ通信のみが行えるSIMカードで、電話番号での通話はできません。ただし、メールやWEBブラウザ、アプリなどは利用できるため、050PlusやLINE、Skype、Viberなどによる通話サービスは利用できます。また、圏外エリアを除けば、Wi-Fi環境でなくてもインターネット接続ができるので、iPadやモバイルのWi-Fiルーターとして利用する場合や、2台目のサブ端末用に契約するケースも増えています。
SMS付きデータSIMとは、SMSも利用できるデータSIMのことです。SMSは、スマホや携帯電話間で短い文章を送受信できる機能ですが、最近は、サービスやアプリ、新規アカウントなどを登録するときの「二段階認証」に多く使われます。ログインID・パスワード入力後に必要な認証コードは、SMSを通じてスマホに送られることが多く、SMS機能がないと認証コードを受け取ることができません。二段階認証は、効果的なセキュリティシステムとして、LINEやFacebookなどのほか、AmazonなどのECサイト、Paypayなどの決済サービスなどにも広く使われています。SMS機能が付いていると、こうした手続きもスムーズに行うことができます。
音声通話SIM | データSIM | データSIM+SMS | |
---|---|---|---|
電話 | ○ | × | × |
データ通信 | ○ | ○ | ○ |
SMS | ○ | × | ○ |
SMSを詳しく知りたい方はこちらのコラムを参照ください。「SMS(ショートメッセージサービス)とは?メールとの違い・メリットや送信方法、企業の活用例を紹介」
まずは音声通話SIMの特徴、ビジネスシーンにおける用途を説明しましょう。
音声通話SIMは新規に法人携帯を契約する場合、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルなどの通信会社だけでなく、格安スマホ(MVNO)の契約も可能です。もちろんMNP(乗り換え)もできます。
大手キャリアで契約していた電話番号をそのまま使いたい場合は、音声通話SIMの契約が必須です。 特に営業職などの場合、仕事の相手がすでに自分の番号を登録していることが多く、今までの「電話番号による通話」ができなくなると、連絡ミスやチャンスロス、相手に不快な思いをさせてしまうなどになりかねません。 こうしたトラブルを避けるためにも、電話番号が必要な場合は、音声通話SIMでの契約をおすすめします。
音声通話SIMのスマートフォンはビジネスにおいて、主要のコミュニケーションツールです。データSIMを契約され、メールやチャットでコミュニケーション、IP電話(インターネット電話)ももちろん重要ですが、相手方にも同一環境を整えてもらう必要があります。 リアルタイムでの情報伝達や会話には、音声通話の方が向いていると言えるでしょう。
音声通話SIMは、固定電話のような安定した通話品質をモバイル環境で得ることができます。データSIMを活用したIP電話とは異なり、音声通話専用の回線を使用するため、途切れにくくクリアな音質で通話できます。
海外へ出張されるビジネスパーソンは、これから益々増加すると思われます。その際、国際ローミング対応の音声通話SIMは非常に有用です。音声通話SIMがあれば現地での通信も安心です。
顧客へのアプローチ、問い合わせの回答、クレーム対応などの顧客対応は迅速さが求められます。メールやチャットでは遅い場合もあるため、安定した通信環境の音声通話が求められます。 適切で早い顧客対応には、音声通話SIMが搭載されたスマートフォンの存在は不可欠です。
社内のコミュニケーションは業務アプリやチャットを使う機会も増えてきました。しかし緊急性や即時性が高い場合は、音声通話SIMのスマートフォンから上司や同僚に電話をかけることが適しています。 スマートフォンは即時性と確実性を兼ね備えた手段として優れたツールです。
高度なセキュリティが求められる中で、二段階認証の一環としてSMS認証が利用されることが増えています。 これには音声通話SIMが不可欠であり、データ漏洩リスクを低減させる役割を果たします。
次にデータSIMの特徴、ビジネスシーンにおける用途を説明しましょう。
タブレットは主にWeb閲覧、メール、アプリ利用などのデータ通信が主体となるデバイスです。 音声通話の機能は必ずしも必要とされないため、データSIMが最適とされています。 部署ごとに数台のタブレットが必要などの場合に、料金を抑えられるデータSIMの契約は賢い選択といえます。
スマホのほかに、別途Wi-Fiルーターを法人契約により社員に貸与している場合は、データSIM契約のタブレットなどをWi-Fiルーターの代用として使用させることもできます。データSIMを搭載したモバイルWi-Fiルーターを使用すれば、複数のデバイスで同時に高速インターネットに接続することができます。
データSIMを搭載したスマートフォンでVoIP(Voice over IP)アプリを利用すれば、通話も可能です。 音声通話の機能がないデータSIMでも、LINEやSkype、Viberなどのアプリを使用して通話ができます。
SMS機能が付加されているデータSIMは、二段階認証などのセキュリティ手段を利用する際にSMSを受信できるので、セキュリティが向上します。
データSIMのスマートフォンやタブレットを使用することで、外出先や移動中でも安定したインターネット接続を確保できます。 端末に生産管理、販売管理、顧客管理等の業務アプリをインストールしていれば車中、カフェ、クライアント先など、オフィス外でもスムーズに業務を継続することができます。
現代は在宅勤務だけでなく、バーチャルオフィスやカフェなど働く場所はオフィスだけではありません。ワーケーションという言葉も誕生するほどです。 データSIMを使用したモバイルルーターやタブレットを利用することで、安定したインターネット環境を築くことができ、オフィスのサーバへのアクセスも容易となります。
データSIMを使用すれば、安定したネットワーク環境下でのビデオ会議やオンラインミーティングを実現できます。 物理的な距離を越えての効率的なコミュニケーションを図れます。
現場とオフィスをつなぐツールとして、データSIMを搭載したスマートフォンやタブレットは活躍します。 現地で撮影した動画や写真にテキストを添え送信することも、リアルタイムでのミーティングで現地の状況を本部に伝えるなど、意思決定のスピードアップに貢献します。
データSIM契約のスマホでは、110や119などの緊急電話がかけられません。例えば、同行した取引先の重役が急に倒れた、イベント会場で事故が起きたなど、ビジネスシーンでは緊急事態や不測の事態がないとは限りません。こうしたリスクを回避するのであれば、音声通話SIMの方が安心といえます。
楽天モバイルの法人向けプラン「Rakuten最強プラン ビジネス 」なら大量にデータを使う場合でも、お得な料金でコストを下げることが可能です。少量しかデータを使わない場合は低額のプランを選び、さらにランニングコストを下げられます。データ容量を使い切った後も最大200kbpsで通信できますから、データを多く使う事態が急きょ発生した場合でも通信不能となる心配はいりません。
プラン名 | データ容量 | 月額料金 | 主な用途 |
---|---|---|---|
音声+データ3GBプラン | 3GB | 1,980円(税込2,178円) | 通話、アプリでの画像のやり取り、チャット |
音声+データ5GBプラン | 5GB | 2,380円(税込2,618円) | 通話、クラウドサービスの利用やファイルのダウンロード |
音声+データ30GBプラン | 30GB | 2,780円(税込3,058円) | 通話、営業先との商談やメール |
音声+データ無制限プラン | 30GB | 2,980円(税込3,278円) | 通話、長時間のインターネット利用、Webミーティング |
プラン名 | データ容量 | 月額料金 | 主な用途 |
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データ3GB | 3GB | 980円(税込1,078円) | メール、チャット |
データ7GB | 7GB | 1,480円(税込1,628円) | 社内外でのデータ通信、タブレットでの使用 |
データ30GB | 30GB | 2,380円(税込2,618円) | モバイルルーター |
音声通話SIMとデータSIMの大きな違いは、電話番号による通話の可否ですが、ほかにもできること・できないことがそれぞれにあり、一概にどちらがよいといえるものではありません。自社のニーズやビジネスシーン、職種や利用量に合った適切なプランを検討しましょう。
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