導入背景
DX推進を加速するローカル5G - KŌSOKU Accessの選択
ヴルーヴ取締役副社長 田中様(以下、田中様)からKŌSOKU Access導入の経緯を伺いました。
同社のサービス提供の基盤となる接続回線サービスを探している中、他社の専用線が高額であることが課題となっていました。そのため、手軽に導入できる高速通信サービスが求められました。
ローカル5Gサービスは、5GコアをSaaS型で提供する点が特徴で、1つの5Gコアを企業間で共有できるため、5Gコアをオンプレミスで設置・運用する場合と比較して、リーズナブルに導入が可能です。
決め手
全国提供で低価格な料金体系
今回のサービス提供先となる佐賀県玄海町内で、10Gbpsの専有型回線を低価格で利用できる点が決め手となりました。
ローカル5Gの提供には10Gbps以上の接続回線が必要になりますが、玄海町が提供エリアとなっているサービスではなかなか見つけられませんでした。
電力系通信事業者についても10Gbpsのサービスを提供している事業者が見つからず、提供していたとしても専用線は高額であることが課題でした。そんな中、楽天モバイル法人サービスで低価格かつ利用エリアで構築可能なサービスを見つけました。それがKŌSOKU Accessです。
田中様「楽天モバイル法人サービスのKŌSOKU Accessは、10Gbpsの専有型回線を低価格で提供しており、まさに私たちが求めていた解決策でした。他社の専用線と比べて、工事費や月額料金を含めた価格が2ケタ近く安くなりました。」
楽天モバイル法人サービスでは、データの利用速度を2種類から選べるStandardプラン(ベストエフォート型)を他社よりも低価格で提供※1しています。
さらに、より高品質なPremiumプラン(帯域確保型)では、300Mbpsまたは1Gbpsの帯域幅を確保し、通信量を監視することで、必要に応じて回線を増強し、安定したデータ利用を可能にします。
- ※2024年11月時点。
活用事例①
玄海町花火大会2024の成功 - 大量アクセスでも快適なインフラへ
ヴルーヴ株式会社は、ローカル5GのほかにWi-Fiや無線通信などの通信インフラ導入支援も行っています。その代表的な事例の1つが、佐賀県玄海町で開催された「玄海町花火大会2024」におけるフリーWi-Fiの提供です。
田中様「この花火大会では、町外からの来場者も含めて約1万5000人が集まり、会場のモバイルネットワークは大量のアクセスによる通信障害が懸念されていました。この対応策として、KŌSOKU Accessを活用したフリーWi-Fiの提供により、来場者が快適に利用できる通信環境を構築しました。その結果、花火大会のインフラ整備は成功し、主催者側もスムーズなイベント運営をすることができました。
通信事業者の4G/LTEサービスは花火大会が始まる前からつながりにくい状態でしたが、我々のKŌSOKU Accessを活用したフリーWi-Fiは一番混雑する時間帯でも下りで90Mbps以上という圧倒的な速度を維持しました。」
活用事例②
SAGA2024 国民スポーツ大会 - フリーWi-Fiで快適な通信環境を実現
花火大会での通信成功事例をきっかけに、2024年10月に開催された「SAGA2024 国民スポーツ大会」でも、急遽フリーWi-Fiの導入が決定しました。
相撲競技が行われた玄海町会場では、多くの来場者が見込まれる中、スムーズな通信環境の整備が求められました。
ヴルーヴ株式会社は、KŌSOKU Accessを基盤としたフリーWi-Fiを提供し、土俵周りや駐車場、売店などの主要エリアに27台のアクセスポイント(AP)を設置。県内外からの多くの来場者に快適な通信環境を提供しました。
活用事例③
KŌSOKU Accessのメリット
KŌSOKU Accessは、顧客ごとの専有型回線を敷設することで、共有型の回線を上回る高速かつ安定した通信を提供します。データ通信量が増加する現代、安定性と速度が求められる大規模オフィスやホテルなどで、高い信頼性が評価されています。
さらに、高度なパケット転送技術「Segment Routing IPv6(SRv6)」を適用。パケットに経路情報を付与する仕組みにより、ネットワーク設計が簡素化され、効率的な運用が可能です。
楽天モバイル法人営業部 営業課の小泉(以下、小泉)は次のように説明します。
小泉「経路上のルーターがパス情報を持たないため、障害が起きても自動でルートを切り替え、目的地までトラフィックを届けることが可能になります。
それに加えて、全国ほぼすべての地域で利用可能です。そのため、クラウドベースのセキュリティを活用するSASEや、直接インターネット接続を可能にするローカルブレイクアウト(LBO)※の採用事例も増えています。」
- ※ローカルブレイクアウト(LBO)とは、WANなどを経由せず、各拠点から直接接続するネットワーク構成を指す。
今後の展望
デジタル教育を支える未来へ
楽天モバイルは、デジタル教育の推進にも力を入れています。
小泉「学校への回線サービスや端末の提供に加え、専用窓口での相談対応や通信環境の現状分析・調査を行い、課題解決に向けた支援を行っています。全国の教育委員会における『NEXT GIGA』の実現を支援する中で、単に通信を提供するだけでなく、最適な環境を構築するための多面的なアプローチを目指しています。」
安価で安定した高速通信を実現できる楽天モバイルの法人向けネットワークサービスは、デジタル教育の基盤整備においても強力なパートナーとなるでしょう。企業や自治体のみならず、教育現場にも広がる楽天モバイルの取り組みは、未来のDX化をさらに加速させると期待されています。
- ※掲載内容は取材当時のものです。