通信回線を比較する際に、「ベストエフォート型」という言葉はよく見聞きします。オフィスのインターネット回線を選ぶ際には、回線の特徴を知り、業務に適した回線を選ぶことが重要です。
この記事では、ベストエフォート型とはどのような回線か、どのような業務に適するか、回線を選ぶポイントを解説します。帯域確保型や帯域保証型(ギャランティ型)の回線との比較についても紹介しますので、インターネット回線の選定にお役立てください。
ベストエフォート(best effort)とは、直訳すると「最善の努力」や「最大限の努力」という意味になり、通信回線での「ベストエフォート型」とは、最良の条件となった場合に提供できる最大通信速度を上限とし、その通信速度に向けて最善の努力をするということを意味します。
ベストエフォート型回線は、状況に応じて通信速度が変動することが特徴であり、多くの利用者が通る道路に例えられます。利用者が増えた場合や、メタバースや動画など通信量が増えるサービスが多く利用されている場合は、回線の混雑による速度低下が起こりがちです。
ベストエフォート型回線では、最低通信速度の保証や帯域の確保をしていません。利用者の数やパケットの量などの要因により、実際に通信できる通信速度は最大通信速度よりも大きく低下するケースも珍しくありません。
文部科学省では「ベストエフォート型回線」について、以下のように説明しています。
通信回線には「ベストエフォート型」のほかに、「帯域確保型」や「帯域保証型(ギャランティ型)」もあります。
帯域確保型とは、最大通信速度とともに、確保している帯域幅も提示する通信回線のことです。運営会社が通信速度を定期監視するため、混雑時でも一定の通信速度(確保する帯域に相当する通信速度)が期待できます。帯域確保型は速度を保証するサービスではありませんが、混雑時も一定の通信速度を出せるよう、帯域の確保や定期監視を行っている回線ですから、混雑時でも通信速度低下のリスクは小さいでしょう。
帯域保証型とは、運営会社が最低通信速度を保証する通信回線のことです。いつでも一定レベル以上のスピードで通信できるため、回線が混雑しやすい時間帯でも安心して使えることは魅力的です。
法人に対してベストエフォート型回線がおすすめかどうかは、用途や目的により変わります。ベストエフォート型回線のメリットとデメリットを、以下の表でご確認ください。
メリット | ランニングコストが低い 回線やサービスの選択肢が多い |
---|---|
デメリット | 混雑時を中心として、通信速度が下がりやすい 回線が途切れるおそれがある |
上記に挙げたメリット・デメリットを踏まえて、どのような用途に適するか、またおすすめしない用途を解説します。ベストエフォート型回線には専有型と共有型があるため、双方の相違点も確認していきましょう。
通信速度と確実性を強く必要としない、もしくは通信に失敗してもやり直しが可能な業務であれば、ベストエフォート型回線で対応できるでしょう。業務の一例は、以下のとおりです。
動画を活用する業務の場合でも、中断した箇所から閲覧し直すことが可能であれば、ベストエフォート型回線のほうがコストパフォーマンスの点で勝ります。ビジネスチャットや多くのクラウドアプリケーションを使う場合も、費用対効果の観点からベストエフォート型回線を選ぶケースが多いでしょう。
リアルタイムでの画面表示や処理を求める、または通信に失敗するとやり直しできない業務に、ベストエフォート型回線は適しません。該当する業務の一例をご確認ください。
従業員の多い企業など、回線当たりの通信量が大きくなりやすい場合も、ベストエフォート型回線はおすすめできません。帯域確保型や帯域保証型の回線を選ぶとよいでしょう。
ベストエフォート型回線には、専有型と共有型の2種類があります。より安定した通信を目指すなら、専有型の回線を選ぶとよいでしょう。専有型は1本のインターネット回線を貴社だけで使えるため、他のユーザーによる影響を受けません。このため、高速通信を実現できる可能性が高くなります。
一方で共有型は、1本のインターネット回線を複数のユーザーで利用します。他社で容量の大きな通信を行っている、または回線の利用者が多い場合は、自社に理由がなくても回線が遅くなる可能性が高くなることに注意が必要です。
法人がベストエフォート型回線を選ぶ際には、業務への悪影響をおよぼしにくい回線を選ぶことが重要です。これから紹介する4つのポイントを踏まえて、貴社に適した回線を選んでください。
通信回線と業務の相性を確認することは、重要なポイントです。「1秒たりとも遅れが許されない」「一瞬でも切断されると業務に支障が生じる」このような業務に、ベストエフォート型回線はおすすめできません。すでに解説した「法人にベストエフォート型回線はおすすめか?」を参考にして、業務とベストエフォート型回線の相性を事前に確認することで、トラブルの多くを防げます。
初期費用やランニングコストも、ぜひチェックしておきたい項目です。初期費用を抑えられれば、導入しやすいでしょう。同じサービス内容であれば、より安価な回線を選ぶことで、コストパフォーマンスを向上させることができます。
多くの運営会社が複数のプランを提供しています。仕様を比較し、費用対効果の高いプランを選びましょう。
ベストエフォート型回線を選ぶ際には、途切れにくさが重要です。やり直しが可能な業務であっても、頻繁に回線が途切れると従業員の不満につながります。
インターネット回線の品質は、回線事業者やプランにより異なります。専有型の回線を選ぶと他のユーザーの影響を受けにくいため、回線も途切れにくいでしょう。
通信回線を使っていると、不明な点や疑問に思う項目が出る場合や、トラブルが発生する可能性があります。充実したサポート体制を備えた回線ならばスムーズに相談でき、安心して回線を使い続けることが可能です。
充実したサポート体制も、通信回線を選ぶ際の重要なポイントです。対応時間や対応する曜日は提供会社によって異なるため、電話やオンラインによるサポートのみか、現地対応が可能かという点も、チェックしておくとよいでしょう。
「一定の通信速度を確保したい」「ベストエフォート型回線でも、安定した通信を行いたい」このような希望をお持ちの法人には、「KŌSOKU Access」をおすすめします。KŌSOKU Accessは、以下2種類のプランを用意しております。
KŌSOKU Accessは専有型の回線を提供しており、「1Gbpsプラン」と「10Gbpsプラン」の2種類から選べます。回線を貴社だけで独占できるため、他のユーザーの影響を受けにくく、高速通信を実現しやすいことはメリットに挙げられます。専有型としては数少ない全国対応の回線であること、低コストで利用できるメリットも見逃せません。
遅延や中断が許されない業務の場合は、帯域確保型の「Premiumプラン」も選べます。Standardプランよりもランニングコストは高くなりますが、業務の内容に応じて確保する帯域を選べる点は魅力の一つです。
ベストエフォート型回線は状況に応じて通信速度が変動しますが、低コストでインターネット回線を使える有効な手段です。適切な業務で活用すれば、経費削減の有効な手となります。
楽天モバイルでは法人向けに、専有型のKŌSOKU Accessを提供しております。ベストエフォート型回線のプランでも、安定した通信をしやすいことはメリットに挙げられます。費用対効果に優れた回線をお探しの法人様は、ぜひKŌSOKU Accessをご検討ください。
法人向けの超高速インターネット接続サービス。
幅広いエリアで高速通信を実現しながらも、低価格でのご提供を可能にしました。お客様の拠点から最寄りの通信局へ専用の光ファイバーを敷設するため、混雑する時間帯でもスムーズにご利用いただけます。